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地植え(庭植え)のフジ・特徴・手入れ・藤棚(パーゴラ)の設置・補修

(フジの花)
藤(フジ)は日本に自生する日本固有種です。4月下旬~5月初旬に花が房状に垂れ下がって咲く、観賞価値の高いつる性の花木です。
古くから日本の詩歌や絵画でも取り上げられ、歴史的・文化的な価値を持つ植物としても知られています。
地植え(庭植え)の藤は、ツルが匍匐(ほふく)して大きく成長します。藤棚(ふじだな)を設置してツルを這わして育てます。

フジの種類と特徴・山藤(ヤマフジ)と野田藤(ノダフジ)の違い・見分け方
藤(フジ)の種類は、主に山藤(ヤマフジ)と野田藤(ノダフジ)の2種類の系統に分けられ、異なる特徴を持っています。
山藤(ヤマフジ)は山林等で自生が見られ、園芸品種の野田藤(ノダフジ)は公園や和風庭園などで見られます。
一般的に、「フジ」といわれるのは、花序が長い野田藤(ノダフジ)です。
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野生種
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園芸品種
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| 品種:紫カピタン、赤カピタン、アケボノカピタン、白カピタン、花美短、甲比丹、など。 | 品種:本紅フジ、昭和白フジ、口紅フジ、長崎一歳フジ、野田一歳フジ、八重黒竜、九尺フジ、ニオイフジ、ニシキフジ、など。 | |
野山に自生している山藤(ヤマフジ)
山藤(ヤマフジ)は、4~5月に開花します。兵庫県以西の本州・四国から九州にかけて自生しています。山林道や河川敷などで見られます。山藤(ヤマフジ)の垂れ下がる花房は、野田藤(ノダフジ)よりも短く花が大きめです。


兵庫県の野山には山藤(ヤマフジ)が多く自生しています。ごく普通にあちこちで見られ、多くの人が観賞に訪れます。 満開に咲き誇る山藤(ヤマフジ)の姿は、この時期限定の自然美です。

自生の山藤(ヤマフジ)
自生する山藤(ヤマフジ)は、周囲の木に絡み付いて伸びています。枝の先までの樹高が20~30メートルの山藤(ヤマフジ)はザラにあります。樹齢なん百年かと思うと藤(フジ)の生命力のすごさを感じます。
花序(かじょ)が長い園芸品種の野田藤(ノダフジ)
野田藤(ノダフジ)系の園芸品種は豊富にあり、花房(はなぶさ)の長さが50cm、60cmと長く、2m近くになる品種もあります。


花房が長く密に咲く品種は、「ムラサキナガフジ」が代表的です。中でも濃い紫色の「コクリュウフジ」が有名です。兵庫県・大阪周辺は藤(フジ)の名所が多数あります。

野田藤(ノダフジ)の評価
野田藤(ノダフジ)系の観賞評価は、どれだけ長い花房を栽培できるか、その花房にどれだけ密に花を付けられるか等が、栽培の価値ともされており、長い花房を観賞できるように藤棚の形状も品種によって高さやカタチが様々に創作されています。
藤の木・花の特徴
藤(フジ)は、かんざしのような長い花房(はなぶさ)が垂れ下がって咲くつる性の植物です。


左右対称の花
藤(フジ)の花は左右相称で、蝶々(ちょうちょう)のようなカタチをした「蝶形花(ちょうけいか)」です。マメ科の特徴です。
藤の開花時期
藤(フジ)の開花時期は、4月下旬から5月初旬ごろに見頃を迎えます。地域や気候による違いは少しありますが、毎年、桜(サクラ)が終わったあと、藤の花が開き始めます。

雌雄同株 (しゆうどうしゅ)
藤は雌雄同株(しゆうどうしゅ)で、1つの花におしべ(雄蕊)とめしべ(雌蕊)があります。例えば、マツ、クリ、ケヤキ、コナラなどが挙げられます。

花茎が長く、上方から開いていく花房
藤(フジ)はマメ科のつる植物です。花茎が長く、開く前と開いたあとの花のカタチが異なり、一つの房の中で異なる花姿を見れます。花は、房(フサ)の上方から開いていきます。

藤の花(フジの花)の甘い香り
藤(フジ)は、日本を代表する花の一つです。開花時期は各地で「フジのお花見」が行われ、観賞される花木です。

藤(フジ)の花は、甘く上品な香りがします。藤(フジ)の花を見に行くと、風に乗って甘い香りが周辺に漂っています。

柔らかく薄い、先端が尖った葉の特徴
藤(フジ)の葉は、柔らかく薄いです。色は明るい黄緑です。若葉には毛が密生していますが、成葉になると表面は無毛になります。 葉のカタチは、先端が尖った卵状長楕円形です。

うねるように伸びる、フジの蔓(ツル)
藤(フジ)の蔓(ツル)は、うねうねと這うように伸びて成長します。フジは生長が早いため、放任するとすぐにジャングルのようになってしまいます。若いツルは、柔らかいです。絡まってきたツルは早めにほどき、藤棚に沿って計画的に誘引して育てます。

丈夫で折れにくい藤のツルで造る工芸品
藤(フジ)の蔓(ツル)は、とても丈夫で折れにくく、しっかりした籠(かご)ができます。フジのツルは工芸品の材料にも使われています。

花後に豆果(とうか)が沢山つきます。
藤(フジ)はマメ科です。花が終わってそのままにしていると、細長い豆果(とうか)が、沢山ぶら下がって付きます。
豆果(とうか)の観賞
暖地では、ゴールデンウィークの週末にもなると花の見頃ろが終わり、豆果(とうか)の観賞時期になります。


藤(フジ)の豆果
藤(フジ)の豆果(とうか)は、表面が毛で覆われビロードのような肌触りをしています。

秋にふっくらと熟す豆果
豆果の出始めは細長いカタチをしていますが、秋9月にもなるとふっくらしてきます。盛果期は、10月から12月頃です。

茶色になって裂ける
豆果(とうか)は茶色になっていき、熟すと莢(さや)がねじれるように裂けて中のタネを飛ばします。
藤(フジ)の育て方
藤(フジ)はツル性です。周辺の木や柵等に巻きついて成長します。柱と屋根を組んだ棚を藤棚(ふじだな)といい、藤(フジ)の花を美しく観賞するための棚です。藤棚は「パーゴラ」とも呼ばれます。

藤棚の形状は、藤のつるがしっかりと絡みつけるように、格子状や並列状(へいれつじょう)に仕上げます。

藤棚の設置
藤(フジ)の蔓(ツル)はとても重く、2~3m程度の支柱でしっかり固定して天板を支えます。ツルは下から棚(パーゴラ)に絡ませて育てます。
藤の観賞と藤棚の材質
藤(フジ)は、藤棚(ふじだな)に蔓(ツル)を這わせて枝垂れる姿を上から観賞します。藤は重さがかかるため、棚の材質・素材選びや耐久性の考慮した設計をします。
(人工木材(樹脂木材)の藤棚)

藤棚に使用する素材は、竹、木材、パイプ、金属などが用いられます。伝統的な藤棚は、竹を組んだものがよく使われます。
藤棚仕立て
藤棚(パーゴラ)は日当たりの良い場所に設置し、ツルを棚に沿わせるように誘引します。
1、株元から伸びる太い主枝を、棚の骨格となるように左右に広げていき、主枝を伸ばします。
2、枝(ツル)が密集しすぎないよう、大輪の品種なら20cm程度、小輪なら10cm程度の間隔を目安に配置し、枝(ツル)の間隔を空けます。
3、紐(ひも)などで枝(ツル)を棚に固定します。
(木製の柱と竹を使った藤棚)

(金属製の藤棚)

(人工木材(樹脂木材)の藤棚)

(コンクリート製の支柱)

藤の植栽
藤(フジ)は、日光がよく当たる、風通しの良い場所で育てます。苗を植える場所は、この先何年も年十年も見据えた設計で植え付けます。
(若木の藤(フジ) )

支柱に巻き付いて成長するフジ
藤(フジ)の若木の頃は、伸びるツルに添え木をして樹形を作ります。
枝(ツル)が倒れないようにシュロ縄などで棚の柱に固定することもあります。

ぐんぐん成長するツル
藤(フジ)のツルは成長スピードが早く、1年で2~3メートルは伸びていきます。日に日に目に見える成長振りです。
蔓(ツル)の誘引(ゆういん)
藤(フジ)は、何年もの先を見据えて枝(ツル)の誘引(ゆういん)を行い、美しい樹形を形成しています。
(写真:誘引したツル)


誘引(ゆういん)
藤(フジ)の蔓(ツル)は折れにくく、丈夫でしなやかです。どの枝にも十分に日が当たるように、棚に沿わせるように誘引していきます。
蔓(ツル)の誘引時期
藤(フジ)のツルは、太陽の光を好みます。 藤棚(パーゴラ)は日当たりのよい場所に設置します。ツルを誘引する時期は、冬の剪定と併せて行うのが一般的です。

蔓(ツル)の誘引の方法
1、落葉期である11月中旬から3月にかけてが主な誘引の適期です。この時期は花芽と葉芽の区別もしやすく、枝を整理しやすいです。
2、藤(フジ)のツルは傷つきやすいです。無理な方向に曲げたり、力任せに引っ張ったりせず、自然な動きを見極めながら扱います。
3、ツルを固定する際は、巻き付けただけでは緩んでしまうことがあり、天然性の紐(ひも)等を使ってしっかりと固定します。

藤棚(パーゴラ)の種類・仕立て方
藤(フジ)は10m以上の樹高になる品種もあります。 藤棚(ふじだな)にして育てる品種は、花序(かじょ)が長い「野田藤(ノダフジ)」が多いです。
| 藤棚(ふじだな)は、藤(フジ)の品種や設置場所によって、どんなカタチにするか、数十年先を見据えて設計します。木、竹、パイプなどで藤棚(パーゴラ)を組みます。 | |
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格子状の藤柵花房が長く下垂れて密に咲く品種は、「ムラサキナガフジ」が代表的です。中でも濃い紫色は「コクリュウフジ」が有名です。
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屋外用の棚人工建材(朽ちない天然木)を使った藤棚・パーゴラが主流です。 公園や庭園などに設置している一般的な素材です。 |
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アーチ仕立て人の通りを想定したトンネル状にする組み方です。パイプに蔓(ツル)を誘引して仕立てます。 藤のトンネルは、特に花序(かじょ)が長~い品種を垂らすと見応えがあります! |
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壁面仕立て蔓(ツル)を壁面フェンスに添わせて仕立てることもできます。 壁面がすでにある場合は壁に直接ではなくフェンスを前に立て、這わすように絡ませていきます。 |
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立木仕立て1本の藤(フジ)の木を、庭木のように育てるのが「立木仕立て」です。「株仕立て」ともいいます。 成長とともにツルが伸びていきますので、真ん中にT字型やI字型の支柱を立てます。ツルの枝先を上部に向けていくと見応えのある樹形になります。 |
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フェンス仕立て藤棚(ふじだな)の増設や撤去など、取り換えがしやすいのは「フェンス」です。細目のフェンスで組んだ柵に蔓(ツル)を絡ませることができます。 設置場所に合わせ柔軟な組み方ができます。 |
パーゴラの設置・施工・増設
【施工事例】パーゴラは、個人低の中庭やカフェやレストランのテラス席などにも見られる “つる性の植物”を絡ませる格子状の棚です。
(つるバラの咲く庭)
藤棚(ふじだな)の増設
藤(フジ)の蔓(ツル)はぐんぐん成長します。1年で約2~3メートル伸びるほど成長が早く、数十年すると藤棚(ふじだな)を増設するほどよく伸びます。

(藤棚の補強・増設)

藤(フジ)は落葉時期に誘引・結束を行います。
(剪定後のツル)

ツルの剪定時期
冬の落葉時期に「樹整、誘引、結束」を行います。
冬は葉が落ち、蔓(ツル)の混み具合・絡み具合もわかりやすいです。
藤(フジ)の木の手入れ・ツルの誘引は手作業です。
藤(フジ)の冬は落葉します。落葉時期に、棚上まで届いたツルの中で太いものを主枝として他のツルは切り除きます。
(冬の藤のツル)

(剪定後に開花をむかえた藤の花)

藤棚仕立て・ツルの誘引
藤(フジ)は翌年以降、冬に主枝から伸びたツルを誘引して毎年手入れをしていきます。
ツル伸びる範囲を想定し、藤棚からはみ出さないように外側へ伸びすぎた枝を切ります。
藤(フジ)の花芽
落葉している冬の剪定時は、花芽がよく見えます。葉芽と花芽の区別がつきにくいですが、フジの花芽は丸みを帯びています。


藤(フジ)の花芽は、7~8月にかけて付きます。
※夏の剪定で、花芽を切ってしまうと翌春は花がほとんど付きません。
古枝・蔓(ツル)の補強
藤(フジ)の蔓(ツル)が若いうちはしなやかな質感です。何本も絡み合いながらうねうねと伸びていき、長年にわたって強力な幹(枝)になります。 誘引作業は、基本冬の落葉時期に行います。
(ツルの補強・支柱)


古枝の補強

ツルの伸びる方向を定め、古枝の重みに耐えられるよう、金属や木材などの支柱やを設置して補強します。特に枝がたわんでいる箇所には、追加の支柱を入れて支えます。
蔓(ツル)が、どんどん伸びていく、成長が早い・・・?!
藤(フジ)の蔓(ツル)は、成長が早いです。放置では手に負えなくなることがあります。藤(フジ)の木は、毎年「花がら摘み」「剪定」と「誘引」をして樹形を保ちます。

(藤棚(ふじだな)からはみ出して伸びる蔓(ツル))

ツルの成長
藤(フジ)のツルを放置すると、藤棚からはみ出すと太陽の光を求めて伸び、絡む木や建造物に絡んでいきます。
藤(フジ)は、自立できない・・・。
藤(フジ)は、できない性質を持っています。枝となる蔓(ツル)は、1年で約2~3m成長し、らせん状に巻きつきながら伸びていきます。


枝(ツル)の性質
藤(フジ)は自立できません。這うように成長します。

藤(フジ)を育てる際は、枝(ツル)を絡ませる柵(藤棚)を建てます。

ツルの巻き付き
藤(フジ)は、絡み付くものがないと、周囲の木などに巻きつきながらよじ登り、日の当たる場所に伸びていきます。絡み付いた木が倒れることもあります。
放置されている藤(フジ)の再生はできるの・・・!?
廃墟や移転などで放置された藤(フジ)は、蔓(ツル)が絡み放題になっていますが、 根が生きていれば多くは復活できます。藤(フジ)は根の成長も早く、何十年と成長する花木です。

藤の伐根
藤(フジ)は樹勢が大変強く、伐根(根まで掘り上げる)となると猛烈に大変な作業になります。専門重機を導入しての作業になります。お任せください。
藤(フジ)の剪定は毎年?枝(ツル)が暴れる・・・?!
藤(フジ)は、剪定して育てます。放置でも花が咲くのですが、ツルがよく伸び、手をいれないと暴れます。

剪定を放任すると、年々大量のツルが四方八方に伸びていきます。

藤(フジ)を放置すると、藤棚からさらに枝(ツル)が伸びていき、地面に這うようになります。
花が終わった後、夏は葉がモッサモッサになる・・・!?
藤(フジ)の夏は葉がよく茂ります。混みすぎた枝(ツル)、重なった不要な枝(ツル)、枯れ枝(ツル)を剪定します。
(藤棚(ふじだな)に多い茂るフジの葉)

藤(フジ)の夏
花後に剪定をしないまま夏を迎えると、春までに伸びたツルがさらに伸び、日当たりや風の通りが悪くなります。
藤(フジ)のツルは、固くて重く、石のようになっていく・・・?!
藤(フジ)の蔓(ツル)は、互いに絡み合った枝がくっついたまま...固まって木質化します。

蔓(ツル)は木化(もっか)すると石のように硬くなり、重力もあります。
藤(フジ)の花が咲かない、葉ばかりになってしまう・・・!?
去年は沢山咲いたのに「今年は葉がモサモサするだけで花付きが悪い」と悩まれる方も少なくありません。花付きが悪くなる大半の原因は「花芽」を切った事による影響が考えられます。

藤(フジ)の花芽
藤(フジ)は、夏に来年の花芽をつくります。
ツルをバッサバッサと強剪定してしまうと、花芽を切ってしまうことになります。
肥料のやり過ぎもよくありません。
藤棚(ふじだな)にツルが絡んでくれない、誘引の失敗・・・!?
藤棚(ふじだな)を作っても、「剪定」と「誘引」をしないままでは、蔓(ツル)は自由に伸びていくばかりです。藤(フジ)のツルが、棚からはみ出したり、他の枝に絡まったり、真上に伸びたりする枝、徒長枝、立ち枝、絡み枝などは、剪定時に整理します。

(剪定前の様子)

蔓(ツル)の剪定
藤棚に誘引(ゆういん)する蔓(ツル)は、伸ばすツルを決め、それ以外はツルの付け根から切り落とし、樹形をつくっていきます。
栄養不足?花の房が小さいまま垂れ下がってこない・・・?!
藤(フジ)の花が、棚の上で小さい房のままで、垂れさがってこないことがあります。藤(フジ)は、水切れすると生育が悪くなり、花も咲きにくくなります。ここ数年は気温も高く、雨が降れば極端ですが、多くの植物が水不足と暑さと乾燥で開花に影響が出ています。
また、樹齢が高い藤も、栄養不足などでつるが伸びなくなることがあります。
(花が垂れ下がってこない)

肥料やり
藤(フジ)の肥料やりは、冬(12月~2月)と花が終わった後(5月~6月)に行います。
地植えのフジを屋根に這わせられるの?
屋根に乗るように咲く藤の花はとても素敵で憧れますが、直接屋根に這わすことは避けます。藤(フジ)のツルは木質化すると、石のように重たくなります。
(枝先を屋根に乗せているフジ)

藤(フジ)のツルの先端部分が、屋根などの建造物に掛かる程度なら重みに耐えるかもしれないですが、強度によります。剪定を行い藤棚やパーゴラの増設をおすすめします。
藤(フジ)は、肥料のやり過ぎに注意!
藤(フジ)の肥料やりは、年2回が基本です。1回目は花後の5月にお礼肥を与えます。2回目は寒肥です。冬の2月頃に肥料を与えると花つきがよくなります。
(葉ばかり茂って、花がほとんど咲かない)

肥料が強すぎたり量が多いと、蔓(ツル)が伸びていくばかりで、葉ばかり茂り、花付きが悪くなる等、悪循環に至ります。肥料の与えすぎに注意します。
藤(フジ)の花後、遅くても6月中には剪定を行い、株の内側まで日が当たるようにすると花芽がつきやすくなります。
(手入れされた藤の夏)

老化して花芽の付きが悪くなった藤(フジ)の枝(ツル)は、若い枝に更新していきます。
(写真:藤(フジ)の再生)

(藤棚の補強)

藤(フジ)の剪定は、花後の「花がら摘み」と「年2回の剪定」が基本です。
藤(フジ)の剪定は、年2回行うのが理想です。剪定時期は、花後の5月下旬~6月下旬に花がら摘みを行い、夏に軽剪定を行い、冬の12月以降の落葉期に伸びた枝や乱れた枝等を切り、誘引を行います。
(フジの冬剪定)

冬剪定の方法
咲き終わり、ツルが長く伸びすぎている場合は、根元から3~5芽を残して切り詰めると樹形が整いやすくなります。
短い枝(側枝)を残す
冬に落葉しているこの時期、次の年の花芽がついている短い枝(ツル)を誤って切らないよう注意が必要です。花芽は丸くふくらんでいるため、葉芽と見分けがつきやすいです。
また、枯れ枝や病虫害が見られる枝を取り除きます。内向きに伸びている枝(ツル)や、交差している枝(ツル)は根元から切り取ります。
花芽は、前年に伸びた短い枝につきます。
(花芽がついている短い枝)

花後はサヤがいっぱいになる(夏の軽剪定)
花の終わりを待つかのように、5月下旬頃にもなると、豆のようなカタチをした莢(さや)がいくつもぶら下がっています。
夏の剪定は、枝葉を減らし、次のシーズンを迎えるための手入れです。夏剪定は花後~6月頃までに行い、風通しを良くしておきます。
(花後のフジの木)

夏剪定の方法
藤(フジ)の夏剪定は、長く伸びた枝(ツル)の先端をカットして、枝の長さを短く整えます。また、絡み合う枝や内側に向かって伸びている枝も切ります。
不要枝を放置しておくと、枝が密集しすぎて通気性が悪くなり、夏に形成する花芽がつきにくくなるだけでなく、病気や害虫が発生する要因にもなります。
(花後のフジの姿)

花後の剪定時期を少し後にすると、豆取りを兼ねられます。
花後の剪定では、不要な蔓(ツル)を軽く切り詰め、花芽をつくるために日当たりを確保します。
落葉期の冬剪定(強剪定)
藤(フジ)の木は、つる性の落葉樹です。ツルが長すぎると、樹形が乱れるだけでなく、庭全体が雑多な印象になってしまいます。
冬は葉を落とし、枝(ツル)がよく見えます。藤(フジ)の古い枝にはほとんど花芽が付きません。新しく伸びた枝(ツル)と更新させていきます。

(落葉している冬のフジ)

落葉期は、蔓(ツル)の状態がよく分かります。冬剪定は2月初旬頃までには終わらせます。
花芽を残して不要なツルを切り詰めていきます。
野生種「山藤(ヤマフジ)」の植栽
野生種の山藤(ヤマフジ)も、庭園等に植栽されています。苗が一般に流通しています。ヤマフジの育て方は、ノダフジも基本同じです。
(ヤマフジの庭木)

(山の中で再生したヤマフジの藤棚)

(ヤマフジの藤棚)

壁面緑化・藤(フジ)の壁面仕立て
壁面やフェンスに沿わせる場合は、主枝が壁からはみ出さないように誘引します。
・壁面仕立ての手入れ
主枝となる太いツルを壁面やトレリスに沿わせて固定します。壁からはみ出た外側の枝は適宜剪定し、内側の短い枝を育て花を咲かせます。株全体に日が当たり、風通しが良くなるように誘引と剪定によって管理します。
(写真:壁面通路を活かした藤(フジ)の植栽)

地植えの藤(フジ)・年間の手入れ
地植え(庭植え)のフジは、よく開花し、よく茂り、よくツルが伸び、うねった幹はどっしりとした存在感があります。
フジは、年間管理で育てる花木です。 春につぼみが膨れ、4月中旬~下旬には、大きな花房が見事に咲きます。
フジの剪定は、年2回を基本に行います。剪定適期は、花後と落葉期です。
フジは、7月~8月頃に花芽が形成され、冬を越して翌年の4月頃に開花します。
藤(フジ)の一年の成長・花の開き方
4月初旬~蕾(つぼみ)
4月になると、藤(フジ)の蕾(つぼみ)が膨れはじめます。

蕾(つぼみ)が膨れだすと、約1週間ほどで5cm~6cmの長さに伸びていきます。
4月中旬~蕾(つぼみ)の成長
4月上旬~中旬頃に、花房の伸びが始まります。

蕾(つぼみ)が開き、房を伸ばし始めます。約4、5日程度で開いていきます。
花が開いていくのは、房の上の方から先端に向かって進みます。
4月下旬~開花
垂れ下がった房状の花は、4月中旬からポツポツ咲きはじめます。

藤(フジ)の花は、4月下旬~5月初旬に見頃をむかえます。満開期は、藤棚から垂れ下がる房状の花房が豪華です。
山に自生する山藤(ヤマフジ)の開花も同時期です。山の新緑の中に薄い紫色のブドウのような花穂が現れます。
5月中旬~花の終わり・花がら取り
藤(フジ)の花が枯れてきたら、莢(さや)の結実を防ぐためにできるだけ早めに花がらを切り落とします。

花の終わりを待っていると、直ぐに細長い莢(さや)が出来てしまい、花がらの切り落としが追い付かない状況にもなります。花の数が多い場合は、咲き終わらないうちから切っていくこともあります。
5月下旬・豆果(とうか)
藤(フジ)の夏剪定は、花後です。5月下旬~6月頃に行ないます。

藤(フジ)の花が終わったあと、花がら取りをしないままだと、豆のようなカタチをした細長い大きな莢(さや)が沢山付きます。やがて種子が大きくなり膨らんでいきます。豆果(とうか)をつけると栄養が取られ、樹勢が弱くなります。 そのため、花が終わったら早めに花がら取りを行います。
5月下旬~6月下旬・夏剪定
藤(フジ)の花後に花がら取りが遅れてしまうと、すでに豆果(とうか)が出来ている場合もあります。夏剪定を兼ねて豆果(とうか)も落とします。

花後直ぐに花がら取りをした場合は、豆果(とうか)が付いても少しです。剪定はその数週間後に夏剪定をする時期がきます。
気候や状況によっては、花がら取りをしないまま、豆果(とうか)がついても育たないうちに、夏剪定を早めに行うことで同時作業ができます。
花後・お礼肥
藤(フジ)の肥料やりは、花が終わった後(5月~6月頃)にお礼肥(おれいごえ)と、冬(12月~2月頃)に寒肥(かんごえ)の年2回行うのが理想です。
花後の肥料は、油かすや緩効性化成肥料を与えます。

肥料を与えすぎると、蔓(ツル)ばかりが伸びたり、花芽がつきにくくなります。肥料を多く与え過ぎないように注意し適量を守ります。
12月~2月・冬剪定
冬になると、藤(フジ)の葉は枯れて落葉します。春の開花を迎える前に剪定します。冬剪定 は、12月以降から2月頃までに行います。

冬は葉が落ち、蔓(ツル)が露わになり状態がよく分かります。
夏から伸びた不要な蔓(ツル)を切り、藤棚をすっきりさせます。
この時期は、葉芽と花芽が出ています。古い枝にはほとんど花芽が付きません。新たに伸びた枝(ツル)と更新させていきます。
誘引作業
藤(フジ)の誘引(ゆういん)作業は、冬の落葉期に行います。

重なった枝を整理した後、蔓(ツル)が伸びる方向を定め、一つひとつの蔓(ツル)をたどり、陽が当たるように広げてシュロ縄等を使って、藤棚に結びつけていきます。とても根気のいる作業ですが、それだけに開花が待ち遠しく喜びもひとしおです。
2月・寒肥
藤(フジ)は、寒肥(元肥)をします。一年の基本となる肥料です。冬の肥料やりは、気温が低い頃(2月)が適期です。

肥料を与えるのは、フジの根(ね)の株元部です。輪状に穴を掘って肥料を散布します。
寒肥を「する・しない(寒肥の有無)」は、春の開花や生育に影響します。美観を維持する庭園などでは、藤の寒肥は欠かせません。
立たせるフジの木「立木仕立て」
ツル性の藤(フジ)が木のように立っているのは、立ち性の品種ではなく、「立木として育てる」ものです。
一般的な棚は、上を見上げて観賞するのですが、目線の高さで花を観賞できるのが「立木仕立て」の特徴です。

1本の藤を庭木のように仕立てる方法です。
(立木仕立ての藤の花)

立木仕立て
フジの「立木」仕立ては、四方に伸びた枝(ツル)を支柱で支え、立っているような姿になる仕立て方で、「立ち木造」とも呼ばれます。
フジの樹齢
藤(フジ)の寿命は長く、長寿の縁起物としても知られています。何十年、何百年の月日をかけてその美姿を維持していきます。

藤(フジ)の年間管理・植栽・剪定・誘引・手入れ・肥料やり
「つるが伸びすぎて困る」、「剪定したら花が咲かなくなった」、「勢いや元気がない」など、つるの誘引、剪定についてもお気軽にご相談ください。

藤棚の設置
【計画・設計】 日当たりや風通しを考慮し、配置と構造を設計します。
【基礎工事】 支柱の位置を掘削し、砕石を敷き詰めた後、基礎を作ります。コンクリートなどの素材で作られ、見た目が自然の木に似せた擬木(ぎぼく)やパーゴラなどを使用する場合、重量があるため地盤や基礎の強度が特に重要になります。
【組み立て】 基礎が固まったら、支柱や梁などの部材を組み立てます。水平・垂直を確認しながらしっかりと固定します。
【仕上げ】 組み立て後、必要に応じて柱の周囲にモルタルを注入したり、周囲を埋め戻して整地して完成です。

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山崎造園では、外構工事(エクステリア)の設計・施工、造園土木・公共緑化工事、戸建て住宅の緑化工事、料亭や茶室や庭園の園路、玄関周辺の階段工事、庭木・生け垣の植栽・剪定・維持管理、肥料やり・害虫予防・消毒など、庭の手入れから庭リフォームまで一貫して行っております。
藤(フジ)の花が咲かない、葉ばかりになってしまう、ツルが伸びすぎて手がつけられない、ツルの剪定をしてほしい、伸び放題になっている藤(フジ)の修復、藤棚の補修工事、建替え工事 等、お庭のお困り事がございましたらお気軽にお声掛けください。
主要地域 :造園工事・庭リフォームも対応いたします!
兵庫県宍粟市内(一宮町、山崎町、千種町、波賀町)、姫路市、たつの市、揖保郡、佐用郡、神崎郡、朝来市、福崎町、他
高砂市、加古川市、太子町、相生市、赤穂市、加西市、小野市、加東市、三木市、西脇市、明石市、播磨町、稲美町、市川町、神戸市、他 近畿周辺)
ツルの誘引・フジの手入れ・植栽管理
【施工事例】フジの景観を保つには季節に応じた手入れをします。
公園の藤棚

4月-5月 宍粟市周辺の見どころ
宍粟市は兵庫県中西部に位置し、地域の人々により守り育てられている“豊かな自然”や、四季折々の花が咲き誇る“花の名所”が各地にあります。
宍粟市周辺のおすすめ観賞スポットにも是非訪れてください。
宍粟市・大歳神社の「千年藤」
(ださいじんじゃ せんねんふじ)
兵庫県宍粟市山崎町の大歳神社「千年藤」は、樹齢1000年以上の老木(千年の藤)です。昭和47年3月24日に県指定文化財〈天然記念物〉指定されています。平成13年11月には、環境省「かおり風景100選」に認定されました。

種類は、花房が1m以上にも伸びる野田藤(ノダフジ)で、境内一面が藤の花で覆われたその見事な姿を一目見ようと、 毎年多くの人々が訪れています。
詳しくは 宍粟市の大歳神社「千年藤」(西播磨ツーリズム振興協議会事務局のホームページ)
(樹齢1000年以上の藤の花、大歳神社の「千年藤」)

大歳神社の「千年藤」の剪定
2013.02.27
まだ寒い2月。大歳神社「千年藤」の剪定作業に行ってきました。
地元の「上寺自治会」の方々を中心として、近隣の方も参加され、 樹木医の方から「藤(フジ)の剪定」についてご指導をしてくださいました。
そして「千年藤」を、10年先、20年先、その100年後に残していく管理方法」 (枝の途中から根を地面に下ろす為の柱)のお話しも聞かせていただき、改めて見る機会となりました。
大歳神社の「千年藤」に触れることができ感動でいっぱいです。
藤(フジ)の剪定作業に参加した様子は、山崎造園のブログ 「千年藤」の記事で紹介しています。
藤(フジ)の花後の手入れ
2022.05.13
5月下旬、まだ咲いている花はあるのですが、根元の方がマメになってきています。大量にマメを付けると栄養がとられますので、花が終わったら早めに花がら取りをします。
花後に伸びたツルは根元の数芽を残して切り詰めます。
山崎造園のブログ「藤(フジ)花後の手入れ」の記事でも紹介しています。
(藤のライトアップ)

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今、宍粟市ではフジが満開です。