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ヤマボウシ(山法師)があるお庭、植栽・剪定・手入れ
ヤマボウシ(山法師)
ヤマボウシ(山法師)は、学名を「Cornus kousa(コーナス コウサ) 」といい、ミズキ科に属する花木です。開花期間が長く、5月下旬から7月にかけて花が咲きます。
花びらに見える白い部分は、球状の花序を包んでいた苞葉(ほうよう)が開いたもので、一つひとつを総苞片(そうほうへん)といいます。花は、中心の球体に小花が集まっています。
花が終わると、総苞片(そうほうへん)は変色して枯れて散り、緑色の果実が膨らんでいきます。
(枯れ始めたヤマボウシの総苞片、撮影:7月7日)
秋9月~10月頃になると果実が赤く熟します。
(ヤマボウシの実)
ヤマボウシの満開期は、道行く人々の目を止めるほど咲き誇ります。日本では古くから寺院等で植えられており、庭木やシンボルツリーとしても親しまれています。公園や公共の庭など身近な場所でも植えられています。
(ヤマボウシがあるお庭)
風情のあるヤマボウシ(山法師)
ヤマボウシ(山法師)は、山で咲いているかのような自然樹形が美しい樹木です。新緑、花、果実、紅葉、落葉、枝ぶり、四季折々の風情を楽しめます。
(ヤマボウシの株立ち樹形)
白い花びらに見えるものは、総苞片(そうほうへん)です。
ヤマボウシ(山法師)は、十文字に開く苞葉(ほうよう)が、花として観賞されています。苞葉(ほうよう)は花を包んでいた葉です。
苞葉(ほうよう)の1枚1枚を総苞片(そうほうへん)といいます。
ヤマボウシの4枚の総苞片(そうほうへん)が花びらに見られています。
総苞片(そうほうへん)の成長
ヤマボウシの総苞片(そうほうへん)は、先が尖がっているのが特徴です。
花を包んでいた総苞片(そうほうへん)は、5月中旬ころから色が白くなりはじめ、総苞片(そうほうへん)が開いた頃の花は、まだ開花していない蕾(つぼみ)の状態です。
(平状に開いたヤマボウシの総苞片)
一般的に「ヤマボウシの花が咲いた」という表現は、白い総苞片(そうほうへん)が開いた状態を花の開花と言われます。
ヤマボウシ(山法師)の開花時期
ヤマボウシ(山法師)は開花期間が長く、初夏に咲きはじめ7月頃まで咲いています。見ごろは5月下旬から6月中旬です。※気候や生育状況によって見頃の時期は前後します。
ヤマボウシの緑色の葉と白い総苞片(そうほうへん)のコントラストが美しく清楚な印象の花木です。
ヤマボウシ(山法師)の花
ヤマボウシ(山法師)の花は、中心部分にある黄緑色の球状のかたまり部分です。小さな花が20~30個密生して咲きます。
花が開くと中心部が華やかになります。
ヤマボウシ(山法師)の名前 由来
ヤマボウシの名前の由来には諸説ありますが、花に見える苞葉(ほうよう)の白い部分が僧侶の頭巾(法師)を連想させることから「山法師(やまぼうし)」と名づけられたとされています。
ヤマボウシ(山法師)の葉の特徴
ヤマボウシの葉は、先端が鋭く尖った丸型の卵形または幅広の楕円形で、付け根の基部は丸みを帯びています。葉脈がよく目立ち縁(ふち)が波打ってきます。
葉の縁(ふち)が細かく波打つ姿から、一見ギザギザの鋸歯(きょし)があるように見えるのですが、ヤマボウシの葉に鋸歯(きょし)はありません。
ヤマボウシ(山法師)の果実
ヤマボウシの果実は、多数の花が一つの実になった「複合果」です。丸い表面はデコボコしています。
総苞片(そうほうへん)が散ったあと、ヤマボウシの果実は緑色をしています。膨らみはじめた7月から8月頃の果実は上にむいていますが次第に垂れていきます。
ヤマボウシ(山法師)の果実・色付きはじめ
夏の終わりから秋の9月~10月になると、実(み)が徐々に赤く色づいてきます。
ヤマボウシ(山法師)の熟した果実は自然と落下します。
ヤマボウシ(山法師)の実の中には種が数個、1~4つか5つくらい入っています。
熟すと生でも食べられます。果実は甘みがありフルーティな味です。ジャムや果実酒作りにも使われています。
斑模様(まだらもよう)の幹
ヤマボウシ(山法師)の樹皮は、赤褐色でウロコ状に剥がれます。樹齢を重ね成木になると、樹皮が剥がれて斑模様(まだらもよう) になります。 茶色、灰色の模様が入り混じり、独特の風合いがあります。
ヤマボウシ(山法師)の紅葉
ヤマボウシ(山法師)の実が落ち、10月頃になると葉が赤く色付きだします。
(写真:果実が落ちた後のヤマボウシの紅葉)
ヤマボウシの紅葉は、日の当たる場所と朝晩の寒暖差が激しいと、より赤く紅葉します。
常緑ヤマボウシの紅葉
1年中葉をつけている常緑性のヤマボウシも、冬の寒さにあたると葉に赤みが混じってきます!落葉性のヤマボウシとはまた違った深みのある紅葉が個性的です。
葉が紅色一色に染まった常緑ヤマボウシ
これは、常緑ヤマボウシ、コルヌス・ホンコンエンシスの月光Cornus hongkoongensis‘Gekkou’という品種です
(引用:神戸市立森林植物園ブログ)
ヤマボウシ(山法師)の自生
ヤマボウシは、枝を横に広げ葉もよく繁ります。自然樹形が美しく、低山の林地や草原で自生も見られます。
ヤマボウシ(山法師)がある庭
ヤマボウシ(山法師)の樹形は、幹から枝先に向かって先細りしていく自然の樹形が美しく、清楚で落ち着いた雰囲気があり、坪庭や茶室の庭園、和風のお庭にもよく合います。
ヤマボウシの庭木
ヤマボウシ(山法師)は、白い花(総苞片)が花のように開きます。
秋には果実を収穫でき、紅葉も楽しめます。
冬は落葉し美しい枝ぶりを観賞できます。
四季折々の多彩な楽しみがある中、街路樹にみかけなくなった理由は、熟した果実がボトリと丸ごと落下することです。
落ちた実が踏まれた地面は汚れます。秋の台風で落下した実はベトベトになっていたりと、実の落下時期はお掃除がちょっと大変です。それでも雑木の庭に一際目立つヤマボウシの存在は魅力があります。
ヤマボウシ(山法師)の仕立て方
ヤマボウシ(山法師)は、一本立ち、株立ちにも仕立てることができますが、ヤマボウシのほとんどが株立ち樹形です。
株立ち
株立ちは、地際(じぎわ)から数本の幹が伸びるような樹形です。涼しげな風合いでよりヤマボウシ(山法師)の美しさが際立ちます。
ひこばえ
ヤマボウシ(山法師)は、株元からひこばえがよく出てきます。一本立ちのヤマボウシを株立ちに仕立て直す際は、ひこばえを成長させていきます。
太い幹の更新
太い幹を更新する場合は、地際(根元)で切ります。背丈が高い太い幹を切る際は、部分的に落としていきます。庭師や造園専門業者にお任せいただけたらと思います。
ヤマボウシ(山法師)の樹高
ヤマボウシ(山法師)は、ミズキ科の落葉高木です。樹高が10m以上にも成長します。剪定は高所作業になります。
庭木の場合、毎年剪定して樹高が高くなり過ぎないように調整していきます。
ヤマボウシの剪定時期
ヤマボウシ(山法師)は、枝が横に広がり葉もよく繁ります。自然な枝を生かし自然樹形を保つようにします。
ヤマボウシの剪定時期は、花芽の開花が始まる3~4月を避け、冬の11月~2月頃に行います。特に、落葉している休眠期が適期です。この時期に剪定を行うことで、樹木に与える負担を軽減できます。不要な枝を切り樹形を整え、風通しを良くしておくことで病害虫の発生も防げます。
枝がよく茂る場合は、花後の5月中旬から6月にかけて軽剪定ができる時期です。軽く混み合った枝を間引き、不要枝を整理しておくと、梅雨から夏にかけての高温多湿な環境を軽減できます。
樹高の調整
ヤマボウシは屋根を超える高木になります。剪定で低く維持できます。
樹形の乱れ
ヤマボウシを放置していると枝や葉が重なり密集してきます。
もさもさの状態では中に光が届かなくなり、病害虫が発生する要因にもなります。ヤマボウシの枝は、少し離れて見たときに向こう側が少し透けて見えるくらいになるように剪定していきます。
果実をつけ過ぎないための夏剪定
ヤマボウシは沢山の花が咲くと同時に沢山の実がつき、熟すと落下ちます。果実を多くつけないためには、夏に枝を軽く剪定します。
ヤマボウシの実の量を調整
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ヤマボウシの花が沢山咲いていると見応えもあるのですが、花後に付く果実の量も沢山です;
夏剪定で、実が付く量を調整 果実の収穫が目的でないとすれば、花が咲き終わる6月頃に不要な枝を切ります。 |
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洋風の庭にも合うヤマボウシ(山法師)
ヤマボウシの品種に、総苞片(そうほうへん)が淡いピンク色の「紅花ヤマボウシ」や、葉に模様が入った「班入りヤマボウシ」は、白いヤマボウシとは雰囲気もまた違い洋風のお庭にもよく合います。
(洋風の庭に植栽しているベニバナヤマボウシ)
(葉の外側が白い「斑入りヤマボウシ」)
ヤマボウシの園芸品種
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ピンク色のヤマボウシヤマボウシは、白色以外にも紅色の品種があります。 淡いピンク色になるヤマボウシは「ベニバナヤマボウシ」が代表的です。 |
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ヤマボウシの園芸品種・斑入りのヤマボウシ 葉に斑が入るヤマボウシは、葉の縁(ふち)が華やかな印象です。斑入り花木は夏には斑が消えるものが多いのですが、ヤマボウシの園芸品種・ウルフアイは夏から秋もきれいな斑色を保つのも特徴です。 |
ヤマボウシ(山法師)とハナミズキ(花水木)の違い
ハナミズキは「アメリカヤマボウシ」とも呼ばれ、ヤマボウシとよく似ています。
見分けるポイントは、花びらに見える総苞片(そうほうへん)の先端です。先端に丸く窪み(くぼみ)があるのはハナミズキ、先端がとがっているのはヤマボウシです。
また、ヤマボウシとハナミズキは、開花時期が違います。ハナミズキは春に咲き、ヤマボウシは初夏に咲きます。
ヤマボウシ | ハナミズキ |
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ヤマボウシは先端がとがっています。
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ハナミズキは先端が丸く窪んでいます。
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ヤマボウシは、葉が先に付き、 花が咲きます。(葉と花が見られます) |
ハナミズキは花が先に付きます。(葉がついていません) |
ヤマボウシは高木です。樹高は10~15mにもなります。 |
ハナミズキは小高木です。樹高3~4mくらいです。 |
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ヤマボウシのピンク色の品種。
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ハナミズキのピンク色の品種。
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ヤマボウシの実(み) |
ハナミズキの実(み) |
ヤマボウシを育てる場所、適した環境
ヤマボウシは日当たりのよい場所を好みますが、乾燥と多湿に弱く、夏の直射日光があたる場所を避け、風通しの良い明るい半日陰が適しています。
(ヤマボウシの植栽)
植え付けの際には土に元肥を混ぜておくと植物の生育がより良くなります。 植え付け後の若木は、根がしっかりと張るまでの間は、土が乾燥しないよう定期的に水やりをします。
(ヤマボウシがあるお庭)
ヤマボウシが大きくなり過ぎてお困りではありませんか?山崎造園では、高所作業や斜面の剪定も行っております。庭木の植栽、剪定、庭の手入れ、外構工事全般、門柱・アプローチの取り付け工事、駐車場の増設など、お庭リフォームから戸建て住宅の建物周辺、店舗の庭設計・施工までご相談ください。
落葉樹のヤマボウシの植栽、常緑ヤマボウシの植栽、記念樹の植栽、庭木一本から承ります。お庭のことでお困りの際はぜひお声掛けください。
主要地域 :造園工事も対応いたします!
兵庫県宍粟市内(一宮町、山崎町、千種町、波賀町)、姫路市、たつの市、揖保郡、佐用郡、神崎郡、朝来市、福崎町、他
高砂市、加古川市、太子町、相生市、赤穂市、加西市、小野市、加東市、三木市、西脇市、明石市、播磨町、稲美町、市川町、神戸市、他 近畿周辺 )
6月 宍粟市周辺の見どころ
宍粟市は兵庫県中西部に位置し、地域の人々により守り育てられている“豊かな自然”や、
四季折々の花が咲き誇る“花の名所”が各地にあります。
宍粟市に隣接するおすすめ観賞スポットにも是非訪れてください。
摩耶山(まやさん)天上寺
神戸市指定 市民の木「ヤマボウシ」
平成26年4月、摩耶山天上寺境内のヤマボウシが、神戸市指定「市民の木」に認定されました。
お知らせ「ヤマボウシが市民の木に指定」チラシ
摩耶山天上寺境内のヤマボウシは、樹齢150年以上、兵庫県下でトップクラスの大きさです。 樹形も整っており、県下で1番美しいといわれています。
・ 場所 : 兵庫県神戸市灘区摩耶山町2-12
・ 開花時期 : 6月の上旬~中旬が見頃です
・ 詳しくは 巨木の純白、山頭で涼しげ 神戸・摩耶山天上寺のヤマボウシ
(神戸新聞NEXTのホームページ)
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