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ヒメシャリンバイ(姫車輪梅)があるお庭・花の特徴・生垣・手入れ
ヒメシャリンバイ(姫車輪梅)
ヒメシャリンバイ(学名: Rhaphiolepis indica var. umbellata f. minor)は、バラ科シャリンバイ属の常緑低木で、シャリンバイの変種です。樹高は2~3mの立性で、4月~5月に薄い桃色の花が束状になって咲きます。新葉(しんよう)が赤いのも特徴です。春は花の開花と緑色に染まっていく葉色の移ろいを楽しめます。
(ヒメシャリンバイの生垣)
ヒメシャリンバイは、枝と葉が車輪状に生え、5弁の花が梅に似ていることから、「姫車輪梅」と呼ばれます。原産地は日本で、古くから庭木や生垣として植えられ、庭園や公園などに植栽されることも多い樹木です。また、潮風(しおかぜ)に強く、海岸近くの街路樹にも利用されています。
(ヒメシャリンバイの花)
ヒメシャリンバイ(姫車輪梅)の特徴
赤い新芽
ヒメシャリンバイの新芽は、赤みを帯びています。
葉色の変化
赤い新芽は、徐々に緑色に変化していきます。夏になる頃は、濃い鮮やかな緑色の葉になります。
光沢がある葉
葉は厚く、表面は深みのある艶(つや)やかな光沢があります。
葉の縁(ふち)の鋸歯(きょし)
ヒメシャリンバイは、葉の縁(ふち)にギザギザの浅い切れ込み(きょ歯)があるのも特徴です。
車輪状に生える葉
ヒメシャリンバイの葉は、枝先に集まって車輪状につきます。
立ち性の幹
ヒメシャリンバイは立ち性で、幹が直立します。
薄いピンクの花
ヒメシャリンバイの花は、白っぽい淡いピンク色の小さな花です。梅の花に似ています。
開花時期
ヒメシャリンバイの開花は、4月~5月です。枝先に束のようにまとまって咲きます。
果実
花後、球状のカタチをした実を付けます。秋11月~12月頃、熟すとブルーベリーのような黒紫色になります。
分岐する枝
ヒメシャリンバイの分岐する枝が、車輪の軸に似ていることから「車輪梅」の名が付いたとされています。
樹高・樹形
ヒメシャリンバイは常緑低木で、成長しても2m~3m程度の高さです。
樹形が立ち性でまとまりやすく、コンパクトに仕立てることができ、限られたスペースの庭にも取り入れやすい樹木です。
シャリンバイ類の耐性
シャリンバイ類は、環境による耐性が高く、潮風や大気汚染にも強く丈夫で育てやすい常緑性の花木として知られています。
(基本種のシャリンバイの花)
(シャリンバイの木)
シャリンバイは種類によって樹形や花の特徴が違います。基本種は白い花が咲く「シャリンバイ」、丸い葉で低木の矮性種「マルバシャリンバイ」、細長い葉の「ホソバシャリンバイ」、明るいピンク色の花が咲く「ベニバナシャリンバイ」、小ぶりの葉で薄い桃色の花が咲く「ヒメシャリンバイ」など、これらを含むシャリンバイ類は、その強い性質から、海沿いや交通量の多い場所の緑化にも使われています。
(ヒメシャリンバイの花と葉)
濃緑で光沢がある厚い葉
ヒメシャリンバイ(姫車輪梅)は、1年を通して葉がある常緑樹です。早春に新芽が伸びてきます。新しく出た葉は赤みがかった色です。葉は、濃い緑色で光沢があります。葉のカタチは、楕円形ですが、幅広い葉になったり細長かったりとカタチが入り交じり、大きさにも変異があります。
ヒメシャリンバイの四季
ヒメシャリンバイ(姫車輪梅)は、四季を楽しむことができます。
初春は、新芽が赤く、新緑とともに庭を彩り、春の3月~4月は、白っぽい淡いピンク色の小さな花が咲きます。
夏は、深い緑色の葉が茂ります。秋は、部分的に赤く色づいた紅葉が見られ、黒みを帯びた果実が付きます。
常緑性で冬でも葉があり、一年を通して楽しめる植物です。
濃い光沢のある緑の葉が、庭全体に明るい印象を与えてくれます。
葉の入れ替わり
常緑樹は、一年を通して葉がありますが、春などに古い葉を落とします。ヒメシャリンバイも同様で、古い葉が春に枯れる様子が見られます。新しく出る葉が伸びてくる頃に入れ替わっていきます。
(ヒメシャリンバイの春、枯れて散った葉)
新芽が赤いヒメシャリンバイ
ヒメシャリンバイ(姫車輪梅)は新芽が赤く、花が咲いている頃に、葉色が混在しています。赤い葉は、春から初夏にかけて緑色になっていきます。ヒメシャリンバイは葉の色の変化も楽しめる花木です。
(ヒメシャリンバイの新芽)
赤い葉と緑の葉が混在しているのは、この時期だけに見れる美しさです。まるで紅葉のような葉の色合いです。
ヒメシャリンバイの生垣
ヒメシャリンバイの生垣は、強く刈り込まなくても自然に樹形が整います。 ヒメシャリンバイの成長は遅めで緩やかです。樹形が大きく乱れることなく、立ち性の幹と細い小枝がすっきりとした印象にまとまります。
(ヒメシャリンバイの生垣)
ヒメシャリンバイ(姫車輪梅)は、横に広がらず、狭い場所にも植栽できます。風除け(かざよけ)や仕切りの生垣としても効果的です。自然な枝ぶりを活かした生垣は、植物パーテーションのようにも活用できます。
複数並べて植える際は、約30cm~40cm程度の間隔をあけて植えます。
(ヒメシャリンバイの生垣:撮影12月)
生垣・垣根・副木(サブツリー)向き・ヒメシャリンバイの植栽
ヒメシャリンバイ(姫車輪梅)の樹高は2m~3mで落ち着き、大きくなり過ぎず、主張しないその存在感が、副木(サブツリー)として取り入れやすい花木です。
副木(サブツリー)は、シンボルツリーを補完し、庭のバランスを整えたり、アプローチの一角に植え、庭の空間に彩りを加える役割を果たします。
年中葉があるヒメシャリンバイは、冬に落葉するシンボルツリーと組み合わせると一年を通して緑を楽しめる庭を作ることができます。
季節の移ろい
ヒメシャリンバイ(姫車輪梅)は、季節の移ろいがあるのも魅力です。春に咲く花や赤みを帯びた葉、果実の観賞など、四季折々の表情を楽しめます。
4月~5月頃に花が咲き、11月~12月頃に実を収穫できます。
(ヒメシャリンバイの生垣)
シャリンバイ類の耐塩性(たいえんせい)・耐潮性(たいちょうせい)
シャリンバイ類は、耐潮性(たいちょうせい)があり、潮風があたる海・川・湖などの沿岸部の緑化にも使われています。
(シャリンバイの植栽)
日当たり
ヒメシャリンバイ(姫車輪梅)は、日当たりの良い場所を好みます。風通しの良い中庭など明るい半日陰の環境でも生育します。
常に日陰の場所では、葉が大きくなり花付きが減る傾向があります。また、湿気が高い場所では、病害虫が発生しやすくなります。そのため、日光を確保できる風通しが良い場所が理想です。
土壌づくり
ヒメシャリンバイ(姫車輪梅)は、水はけが良い砂質土を好みます。比較的どんな土でも育てやすいですが、粘土質の土壌の場合、根腐れを起こすことがあるため、あらかじめ改良しておくことをおすすめします。
植え付け
ヒメシャリンバイ(姫車輪梅)は、春植えと秋植えができます。植え付けに最適な時期は、春の3月~4月です。秋の9月頃でも植えられますが、耐寒性があまり強いほうではなく暖地向きの植物です。植え付けは、気候が穏やかになる春植えが推奨されています。成長が活発になり環境に馴染みやすいです。
苗の植え付けは、植穴を掘る際に少し広めに掘り、根が広がりやすい環境を整えます。植穴には事前に堆肥や腐葉土を混ぜ込み、土壌を肥沃にしてから苗を植えると、より良い成長が期待できます。植え付け直後はたっぷりと水を与えます。
若い苗木の場合は、強風や豪雨で倒れないように支柱を立てるのも重要なポイントです。根付くまで安定させておきます。
水やり
ヒメシャリンバイ(姫車輪梅)は強健です。水は頻繁に与える必要がなく、一度根付いてしまえば自然の雨で育ちます。
夏場に水をやる際は、花や葉にできるだけ直接水をかけないように、根元に向けて水やりを行うようにします。 強い日差しがある場所では、葉焼けの原因にもなります。
肥料の目安
ヒメシャリンバイ(姫車輪梅)の肥料やりは、年に2回程度が目安です。2月~3月頃に油かすや堆肥を株の周りに埋め込みます。花が終わった後にも追肥を施すことで、来年の花付きや葉の色ツヤもよくなります。
剪定時期
ヒメシャリンバイ(姫車輪梅)の剪定に最も適している時期は、花が咲き終わった6月頃です。この時期に不要な枝や枯れた部分を取り除きます。
(ヒメシャリンバイの枯れ枝)
ヒメシャリンバイ(姫車輪梅)の花芽は7月頃にその年に伸びた新枝に形成されます。秋以降に枝先を剪定すると花芽を切り落とすことになります。
また、ヒメシャリンバイ(姫車輪梅)を生垣として植栽している場合は、花数を減らすために、初冬の11月~12月頃に軽く剪定して花数を調整することもあります。
(ヒメシャリンバイの枝の様子:撮影12月)
剪定方法
ヒメシャリンバイ(姫車輪梅)の成長は遅く緩やかで、毎年する必要性がなく、年に1度程度の軽い剪定で維持できます。基本は透かし剪定で、間延びした枝や重なり合った枝を切り、枝分かれした本数を減らして樹形を整え、風通しをよくします。
(ヒメシャリンバイ(姫車輪梅)の車輪状の枝)
枝を切る場合は、枝の分岐点(枝の付け根)で切るのが基本です。
病害虫対策
シャリンバイ類は丈夫な植物ですが、病害虫の発生には注意が必要です。放置するとカイガラムシやアブラムシが発生することがあります。これらの害虫はすす病の原因にもなるため、早めの発見と対処が肝心です。害虫が確認された場合は、市販の殺虫剤を用いるか、害虫が付いた箇所を剪定して対処します。
害虫による食害の場合は、葉を食べられ穴が開いたりする症状が見られます。 病気の場合は、葉に斑点や変色が見られることがあります。
また、赤い葉に見られる「ごま色斑点病」は、糸状菌(カビ)が原因で葉に紅色の斑点が現れ、徐々に広がりやがて落葉し樹勢が悪くなります。
枝が混み合っていると病害虫の発生を招きやすく、必要に応じて剪定を行い、風通しと日当たりを良くすることで、病害虫の発生を抑えられます。
「手入れを楽にしたい!」ガーデニング初心者におすすめの樹木は?
日常的な管理において耐性があり、頻繁な手入れを必要としないシャリンバイ類は、枝が暴れず自然と樹形が整う樹木です。
ヒメシャリンバイ(姫車輪梅)の剪定は年に一度、花が咲き終わった後の6月~7月頃に不要な枝だけを整える簡単な手入れで十分です。忙しい方やガーデニング初心者の方でも育てやすい樹木です。
ヒメシャリンバイの株元から芽が出てきた?!
ヒメシャリンバイ(姫車輪梅)の株元から芽が出ることは、珍しいことではありません。
株の根元あたりから生えてくる若芽は、生育を妨げることもあり、基本的には切り落とします。
若木のうちは勢いよく伸びる枝が出てきます。樹形から乱れる枝は、枝の付け根から切り落とします。
長期間、生育維持できる安定性
シャリンバイ類は、育てやすさと耐久性から、長期的に安定して育つ庭木として定評があります。一旦根を張れば特別な手入れをしなくても丈夫に育ちます。公園や庭園や公道に限らず個人邸の庭でも、生垣や目隠しになる樹木として重宝されています。
■ヒメシャリンバイ(姫車輪梅)の特性
シャリンバイの中でも特にヒメシャリンバイが選ばれる要素は複数あり、葉が小さく主張しない存在感、常緑で落ち葉の心配が少なく、成長が遅く枝が暴れず、樹形が立ち性で横に広がらず、花が枝先に束なってまとまって咲く姿が華やかで、花の色が薄いピンクで、秋の果実は食用にも不向きですが実を観賞できます。冬は落葉せず、小枝が多く目隠しとしても活用できます。樹木の強い性質と生育の安定性があり、庭木や生垣に好まれています。
(ヒメシャリンバイの新芽)
山崎造園は、建物周辺のエクステリア(外構)工事の専門業者です。庭木や記念樹の植栽工事、お庭の設計から施工、新築住宅の造園工事、建て替えやリフォームに伴う庭工事など、建物周辺の工事全般行っています。
ブロック塀を生垣にしたい、シャリンバイが大きく育って手に負えない、高い木の剪定、高所作業車を使った剪定、台風等の被害にあった樹木の修復、限られたスペースのガーデニングも楽しめる庭づくり等々お庭のことでお困りの際はぜひお声掛けください。
主要地域 :造園工事も対応いたします!
兵庫県宍粟市内(一宮町、山崎町、千種町、波賀町)、姫路市、たつの市、揖保郡、佐用郡、神崎郡、朝来市、福崎町、他
高砂市、加古川市、太子町、相生市、赤穂市、加西市、小野市、加東市、三木市、西脇市、明石市、播磨町、稲美町、市川町、神戸市、他 近畿周辺 )
(ヒメシャリンバイ(姫車輪梅)の株元)
(紅花シャリンバイの生垣)
(白い花が咲く、シャリンバイ(タチシャリンバイ) )
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