トップページ > 庭木・植木のお手入れ・お庭づくりのアドバイス
宿根イベリス(トキワマガリバナ/キャンディタフト)があるお庭・植栽・植え付け・剪定・手入れ
イベリス(トキワマガリバナ/キャンディタフト)の特徴
イベリスは、春から初夏にかけて白い小さな花が散房花序(さんぼうかじょ)に咲く、アブラナ科マガリバナ属の植物です。下から上へ咲きすすむにつれて中心が半球形に盛り上がっていき、下方の花柄(花びら)が長いのも特徴です。
イベリスの英名は「キャンディタフト(candytuft)」、和名は「トキワマガリバナ(常磐屈曲花)」といいます。
イベリスは、一年草・多年草があり、多年草タイプのイベリスは毎年花が咲き「宿根イベリス」と呼ばれています。
大株になると見事!宿根イベリス(トキワマガリバナ/キャンディタフト)が主役のお庭
(写真:地植えの多年草・宿根イベリス)
苗を植えた当初は手のひらサイズだった宿根イベリスが、今では庭の主役になるほど成長しているお宅です。
宿根イベリスの日当たり・環境の違い
こちらのお庭にあるイベリスは、葉が多い部分と花が覆うように咲いている部分に分かれていました。お話をお聞きすると、日の当たり方が違うそうです。
正面の左側(葉が多い方)は、樹木の影でほとんど日陰になり、右側(花がいっぱいの方)は、日当たりが良い明るい半日陰だそうです。
(左)常に樹木の日陰、
(右)日当たりが良い半日陰
宿根イベリスは匍匐した枝に、茎が立ち上がる性質です。
宿根イベリス(トキワマガリバナ/キャンディタフト)の枝は、地面を覆うように匍匐(ほふく)しながら広がって成長します。枝分かれした茎が立ち上がり、草丈20~40cm程度に成長します。
宿根イベリスの枝がモッサモッサに・・・!?
宿根イベリスの茎と枝
イベリス(トキワマガリバナ/キャンディタフト)は、株元から分枝しながら成長し、細い茎がたくさん伸びます。
多年草の宿根イベリスは、年々株が大きくなっていきます。
剪定しないまま放置していても、花は毎年咲きますが、株の中がモッサモッサになります。
株全体を覆った茎の中を覗いてみました。 w( ̄Д ̄;)w ワオッ!! )
蒸れてます…。。。。
宿根イベリスは、亜低木(あていぼく)です。
一年草のイベリスは夏に枯れる植物ですが、宿根イベリスは常緑多年草~亜低木(あていぼく)です。
(写真:イベリスの分枝)
宿根イベリスの性質
宿根イベリスは、亜低木(あていぼく)です。
根元の枝が木質、枝先の茎は草質の性質をもっています。
これは、根っこではありません。(笑;)
宿根イベリスの手入れ(切り戻し剪定)
宿根イベリスは、宿根草(しゅっこんそう)です。
冬に地上部が枯れても春になると再び芽を出し、花が終わった後も葉や茎が常緑のまま夏を越し、秋から冬の間は休眠期に入ります。
宿根イベリスは、株元の枝が茶色く木質化します。剪定適期は、花後です。
宿根イベリスは、茎も枝も細いですがよく茂り、株の中が密になり蒸れやすくなります。
花後に切り戻し剪定をします。
枝を切る位置
宿根イベリスの剪定は、緑色の葉が付いた茎をつまむように持ち上げ、その茎の根元部分から切り、茎の数を減らすように間引いていきます。
株元をすっきりさせ風通しを良くしておくことで、梅雨による株元の蒸れ対策にもなります。害虫予防にもつながります。
イベリス(トキワマガリバナ/キャンディタフト)は過湿を嫌います。水はけの良い土を好みます。
イベリスは高温多湿に弱く、水を多くやりすぎると根腐れや蒸れによって枯れてしまう原因にもなります。やや乾燥ぎみに育てます。
宿根イベリスは、葉もよく茂り、茎もよく分枝します。
剪定は花後だけでなく定期的に行い、多湿にならないように風通しをよくしておきます。
宿根イベリスの花の終わり・花がら摘み・摘芯
枯れた花のことを「花がら」といいます。
宿根イベリスは、開花期間が長く花が次々に咲いていきます。花が咲き終わったら、花がらをこまめに摘み取るのが長く楽しむコツです。
花がら摘み
咲き終わった花は茶色く枯れていきます。色が変わりだしたら花がら摘みを行います。
切る位置
摘む(切る)のは花びらだけでなく、花の下(もしくは花茎のつけ根)から切り取ります。
イベリスの摘芯(てきしん)
宿根イベリスは、6月頃まで咲きます。こまめに花がらを摘む(切る)と摘芯にもなり、脇芽が出てたくさん花を咲かせることができます。
イベリスの花がほとんど咲かない、葉っぱばかり、花付きが悪い・・・!?
イベリスは、日光によく当てることです。日当たりが悪い日陰の環境では、花付きが悪くなります。 また、肥料が多すぎると花付きが悪くなります・・・。イベリスは頻繁に肥料を与えなくても育ちます。
花つきが悪い主な原因
・肥料のやりすぎ
・水はけの悪さ、過湿
・日当たりが悪い
水を与えすぎていませんか?長雨が続いていませんか?過湿を避けます。水はけが悪い場合、盛土をするなどで環境を良くします。
宿根イベリスは、冬に葉が落ちる・・・!?
宿根イベリスは常緑多年草で、花が終わっても緑の葉が茂っているはず・・・なのに、梅雨の多湿、夏の高温等の影響から葉が枯れることもあります。
宿根イベリスの葉が落葉して地上部が枯れても、根が生きていれば春に新芽がでてきます。
(撮影地:兵庫県南部)
1月下旬、地植えの宿根イベリスの様子です。枯れ枝のようになっていました。
木質化している宿根イベリスの剪定
大株に成長した「宿根イベリス」の剪定に伺いました。
こちらのお宅はイベリスが主役のお庭です。道路面まで成長してしまい・・・、枝の手入れにお困りでした。
宿根イベリスは、年々株が成長し年数が経ってくると、地面を覆うように広がった枝が、かなり木質化してきます。 暖地では晩秋(ばんしゅう)の頃から葉のない状態になり、冬は枝の状況がよくみえます。
枯れたように乾燥しているパッサパサの枝は、木質化が進み過ぎて切り戻しが難しい状況でした。一度バッサリ刈り込み、株元から新芽を出していくことをご提案したのですが、「できるだけ残してほしい」というご要望でした。
木質化している枝をほぐすように切り、新芽が出てきそうな部分を残してその先あたりで切り落としていきます。
地上部が枯れた地植えの宿根イベリスが、新芽を出しました。
1月下旬に剪定した宿根イベリスです。枯れて乾燥した枝先や木質化した古い枝が多くあり、大胆に切り詰めましたが、新芽が伸びてきました。 (2月下旬、お写真を撮らせて頂きました)
先日、雪が積もったそうですが根は生きていました。
乾燥して黄色く変色している枝は枯れていました。
伸びている枝は、赤みのある茶色をしていて見分けられます。
宿根イベリスは一つの枝からさらに分枝して緑色の茎がたくさん出てきます。
イベリスの花は、下から上へ咲いていきます。
イベリス(トキワマガリバナ/キャンディタフト)の花は、小さな花の集合体です。
ひとつの花は、4枚の花びらです。
外側2枚が大きく、内側2枚が小さいです。
イベリスの咲き方、重ならないの花の配列
イベリス(トキワマガリバナ/キャンディタフト)の花は、分枝した先の花軸(かじく)から重ならないように間隔をあけついています。
下から上へ順々に咲いていきます。
このような咲き方を「散房花序(さんぼうかじょ)」といいます。
散房花序(さんぼうかじょ)に咲くイベリスの花姿
イベリスの中心部は蕾(つぼみ)がついています。
咲きすすむにつれてこんもりと盛り上がっていき、半球形になります。開花しながら美しい花姿を形成します。
花柄(花びら)の長さは、下ほど長く、上方は短く、やや平ら状になっています。
一年草イベリスと多年草イベリスの違い
イベリスは、一年草と多年草タイプがあります。
一年草イベリスは、夏を越せません。花が終わったら枯れます。
多年草イベリスは、夏を越すことができます。花後、常緑で植えっぱなしでも毎年咲きます。(但し、多年草タイプでも気候によっては葉が枯れてしまうこともあります。)
基本的に、多年草タイプのイベリスは、耐寒性常緑で「冬越しができる」-となっていますが、暖地・極寒地以外です。
広い範囲の地域で、冬は緑の葉が無い状態になっているようです。春になるとまた新芽が出てきます。
多年草イベリス |
一年草イベリス |
|
(低木扱い) |
(植物扱い) |
|
![]() |
![]() |
|
代表的な多年草の種 ・センペルビレンス種 (センペルヴィレンス種) ・スノーボール ・スイートハート(ほんのりピンク色)など |
代表的な一年草の種 ・アマラ種 ・ウンベラータ種(花色が豊富) ・オドラータ種(草丈が低い小型)など |
|
開花:3月~6月 | 開花:4月~6月 | |
・株分け、挿し芽で増やせられる | (増やせられない) | |
耐寒性常緑多年草~亜低木 (暖地の冬は、葉が枯れる、枝だけの姿になるが根は成長している) |
(夏には枯れて無くなる) |
品種改良された、冬~春に咲く宿根イベリス
(寒さに強いイベリス・センペルヴィレンス種)
寒さに強い早咲きの宿根イベリス
常緑多年草の宿根イベリス・センペルヴィレンス種は、耐寒性があります。
その性質を活かし、より品種改良されたのが、冬~春に咲くイベリスです。「花付き苗」が、晩秋頃(早ければ11月頃)から見られます。
イベリスと葉ボタンが同じ時期に咲く姿も珍しいことではなくなりました。
強い霜を避けた陽当たりの良い冬の屋外で育ちます。
一年草イベリスの鉢植え栽培(寄せ置き)
(写真:背丈が低い一年草イベリス)
イベリスの鉢植え栽培
一年草イベリスは、夏になると枯れます。
一年草だけに地植えするまでもなく、鉢植え栽培で育てられるお宅も多いです。
鉢を集めて寄せ植え風に置いて、季節ごとに鉢を交換して楽しめます。
イベリスの開花・観賞期間
イベリスは春から(4月~)咲き始めました。初夏(~6月頃)まで次々に花が咲き、観賞期間が長いです。
花付きがとても良く、満開の時期は株が見えなくなる程、たくさんの花を咲かせます。
イベリス(トキワマガリバナ/キャンディタフト)の茎は枝分れします。
イベリスは、株元からたくさんの枝が伸びます。
茎はよく分枝します。枝分れした先端部に花が付きます。
イベリスは、およそ40種ほどの園芸品種があります。茎が立ち上がる品種や茎がクネクネと曲がる品種、横に広がる品種もあります。
イベリスの蕾(つぼみ)は、2月下旬~膨れ始めます。
2月下旬頃から、イベリスの先端に蕾(つぼみ)が見えてきます。
3月上旬にもなると蕾が膨らみ始めます。
イベリスの葉の特徴・ヘラのような細い葉が密に茂ります。
イベリス(トキワマガリバナ/キャンディタフト)の葉は、茎に互生し、葉の形状はヘラのような線形のカタチをしています。
分枝して細い葉をつけた茎に沢山の葉が付きます。
多年草の宿根イベリスは、毎年成長し、葉が一年中付いている常緑性です。花後も低木として手入れをしていきます。
(宿根イベリスは、地植えすると大株に成長します)
グランドカバーとして植栽するイベリス(トキワマガリバナ/キャンディタフト)
イベリスは、春に純白の花が咲きます。鮮やかな花とのコントラストが映えます。宿根イベリスは常緑多年草です。グラウンドカバーにもできます。
イベリスの背丈を調整
宿根イベリスをグラウンドカバーとして植栽する際は、成長をある程度一定に保っています。
花後の夏剪定で、思い切ってばっさり刈り込むと、株の乱れも調整でき、夏の蒸れ対策にもなります。
※冬に葉が落ちる地域の宿根イベリスは、冬は枝だけになりグラウンドカバーとしては...あまりおすすめできません。
背丈が低い品種のイベリスを樹木の下草のように植栽すると華やかです。
イベリス(トキワマガリバナ/キャンディタフト)は日光の方向に伸びます。
(写真:地植え(庭植え)イベリス)
イベリス(トキワマガリバナ/キャンディタフト)は『茎』が太陽に向かって伸びる性質があります。
イベリス(トキワマガリバナ/キャンディタフト)の茎がクネクネしている・・・!?
イベリスの別名は、マガリバナ(歪り花)や常葉歪り花といいます。
イベリスの茎がクネクネ曲がっている…というお話もよくお聞きします。
イベリス(トキワマガリバナ/キャンディタフト)は、別名でマガリバナ(歪り花)や常葉歪り花とも呼ばれます。
イベリスは日の当たるほうへ茎が曲がってしまうことから名付けられたようです。
クネっと曲がって成長したイベリス(トキワマガリバナ/キャンディタフト)は、寄せ植えやハンギングに活用するのもおすすめです。
多年草・宿根イベリス(トキワマガリバナ/キャンディタフト)は直根性の植物です
(※一年草イベリスは増やせません。)
イベリスの根の生え方
イベリスの根は、直根性(ちょっこんせい)です。
根が真下に伸びます。
※直根性(ちょっこんせい)
根が途中で分かれることなく、真下に伸びる性質のことをいいます。根が切断されてしまうと、再生が難しいです。
イベリスの株分け
宿根イベリスは株分けすることができます。根を傷つけないように注意します。
多年草・宿根イベリス(トキワマガリバナ/キャンディタフト)の増やし方・挿し木/株分け
宿根イベリスと呼ばれる多年草タイプのイベリス、例えば 「センペルヴィレンス(センペルビレンス)種」は、「株分け」か「挿し芽」で増やせます。
宿根イベリスの挿し芽
挿し芽の適期は、4月下旬~です。
花が枯れたら「挿し木」のタイミングです。
5~10cmほどの長さに茎を切り取り、先端の葉っぱを残して用土に挿しておくと根付きます。
イベリス(トキワマガリバナ/キャンディタフト)の英名はキャンディタフト
イベリスは、砂糖菓子(さとうがし)のようなかわいい花が株を覆うように咲き、砂糖菓子に似ていることからCandytuft(キャンディタフト)と英名が付いたようです。
イベリスの品種・花の色
イベリス(トキワマガリバナ/キャンディタフト)といえば、真っ白!というイメージが強いこともあり、植えるならやっぱり白という方も多くいらっしゃいます。
イベリスの花の色は、白以外にも淡い優しいピンクや、白と淡い紫系の品種も出回っています。
イベリスの品種・背丈が低い小型のイベリス
宿根イベリスの背丈が低い品種は、グランドカバー向きです。
イベリスの品種・香りが強めは一年草の「オドラータ種」
イベリス(トキワマガリバナ/キャンディタフト)はアブラナ科です。香りも楽しめます。
イベリスの香り
一年草のイベリスで草丈が低く小型種の「オドラータ種」は、イベリスの中でも香りが強いのが特徴です。
名前からすると飴のキャンディをイメージしてしまうのですが、甘すぎない優しい香りです。
山崎造園では、造園設計・施工、エクステリア・外構工事・造園土木・公共緑化工事はもちろん、戸建て住宅の造成緑化工事、料亭や茶室や庭園の園路、玄関周辺の階段工事、塀の設置や撤去、生垣の植栽・管理、庭木(植木)の.剪定・手入れ、花壇の設計・施工、アプローチや塀、ブロック積工事、公園や街路樹の植栽工事、マンション・工場敷地内・病院やスーパーの緑地維持管理も行っております。
主要地域 :造園工事・庭リフォームも対応いたします!
兵庫県宍粟市内(一宮町、山崎町、千種町、波賀町)、姫路市、たつの市、揖保郡、佐用郡、神崎郡、朝来市、福崎町、他
高砂市、加古川市、太子町、相生市、赤穂市、加西市、小野市、加東市、三木市、西脇市、明石市、播磨町、稲美町、市川町、神戸市、他 近畿周辺 )
低木のようになった
宿根イベリスの剪定・手入れ
2018.04.15
イベリス(トキワマガリバナ/キャンディタフト)が主役のお庭に寄らせて頂きました。
このイベリスは、花友(はなとも)さん からの御裾分け(おすそわけ)で、株分けの苗から育てはじめ、今年で5年目を迎えるそうです。
イベリス(トキワマガリバナ/キャンディタフト)の成長とともに「徒長枝(とちょうし)」がいっぱい出てしまい…。これまでばっさり刈り込んだこともあるけど、部分的に枯れ枝になっている所もある…。
株が大きくなり過ぎて、どうしたらいいのか…。・゚(゚⊃ω⊂゚)゚
~というご相談でした。
「枯れている…」という所が気になり、株元(茂った中)を拝見しました。
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|