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冬の風物詩・マツ(松)のこも巻き(害虫駆除)
(庭園のこも巻き行事)
松に巻いている腹巻きのようなものは「こも巻き」といいます。
藁(わら)で編んで作ったものを、冬の間、マツ(松)の幹に巻きつけます。これを「こも巻き」といいます。古くから伝わる マツ(松)を食べる毛虫「マツケムシ」の防除法です。
冬の風物詩 マツ(松)のコモ巻き
松にコモを巻き、その中に越冬する幼虫を集めて、春先に「コモ」ごと焼きます。
幹に菰(こも)を巻く「コモ巻き」と菰(こも)を外す作業を、伝統行事として行っている庭園もあります。
※マツケムシは、マツの葉を食べ荒らす害虫(マツカレハの幼虫で大型の毛虫)です。成虫になると「マツカレハ」になります。
松の冬支度 コモ巻き
こもは、藁(わら)やイグサ等で編んだ筵(むしろ:編んでつくった敷物)です。幹に巻いて縄(なわ)で縛って固定します。
薬剤を使わない害虫駆除方法(昔の人の知恵)です。古く江戸時代の頃から行われています。
現代では科学検証も行われ、害虫駆除効果には賛否両論あるようですが、巻いた菰(こも)に色んな虫が集まるものの、松を食べるマツケムシの害虫退治としては十分でないことから、松のコモ巻きをやめてしまうところもありますが(>ω<、) · ・゚、海外観光客が多い庭園などでは、菰(こも)を巻いた景観を楽しんでもらえるように~と、今でも「こも巻き・こも外し・こも焼き」の行事を行っているところもあります。
お正月の餅つき大会や、松のコモ巻きなど、日本の風物詩がどんどん見れなくなっていくのは淋しいものですね、、、。。(´・ω・`σ)
「こも巻き」と「こも外し」の時期
松に巻く「こも巻き」の役目は、害虫退治が目的です。 立冬の頃11月初旬に「こも」を巻き付けて、啓蟄(けいちつ)の頃3月上旬に、「こも」を取り外して焼却します。
「こも巻き」
立冬(りっとう)の頃11月初旬
立冬は冬の始まりです。
松に藁(わら)を巻く「こも巻き」は立冬の頃に行います。
コモを取り外す作業は「菰(こも)外し」といい、啓蟄(けいちつ)の行事にもなっています。
「こも外し」
啓蟄(けいちつ)の頃3月初旬
季節の節目、啓蟄(けいちつ)は、「冬籠り(こもり)の虫が這い(はい)出る」という春の季語です。
虫さんたちが春を感じ出てくるのがこの頃、秋に巻いた コモを取り外して焼く時期です。
マツ(松)の菰(こも)外しは、遅くとも春分の日(例年3月21日頃)までに行うようにします。
アカマツ(赤松)のこも巻き
アカマツ(赤松)は黒松に比べると 葉も柔らかく幹もしなやです。樹皮は赤みを帯びていて、
亀の甲羅のような割れ目が入るのも特徴です。
樹皮が幹全体を覆っています。老木になると樹皮が細かくめくれあがります。
古い皮を剥ぐときれいなスベスベの赤い幹が現われます。
アカマツの剪定・手入れ、みどり摘みも行っております。
松の仕立もの 維持管理
松は年間で「みどり摘み」と「もみあげ、切り戻しと透かし剪定」を繰り返し、美しい樹形を保っています。
季節に応じた手入れを行い、冬の「もみあげ」や古葉の除去をしている時に、虫がいれば一緒に取り除いています。
山崎造園では、庭木の剪定、高所作業の剪定 も承っております。
松くい虫の被害にあった松の伐採(伐倒作業) や、季節に応じたアカマツ(赤松)・クロマツ(黒松)の手入れ「年間維持管理」についてもお気軽にご相談ください。
また、垣根の設置・撤去・植え替え作業や、台風などの被害で折れた枝の処理や雪対策の補強など、病気になった樹木や伸びすぎた木の伐採、坪庭・中庭づくり、手水鉢(ちょうずばち)の設置も行っております。
枯れた松、葉ふるい病かも・・・と
(写真:クロマツの葉枯れ、(おやっ?)これはコモ巻きですよね?)
2017.01.19
マツの葉っぱが茶色く枯れているというご相談を聞き、現地に伺いました。症状をお聞きすると、秋くらいから枯れだし数か月間この状態が続いている-ということでした。
お年を召され日頃の管理が充分にできなくなり、根元には低木が成長するばかりで・・・。今に至っているそうです。
枯れた葉を見たときは、葉ふるい病(はふるいびょう)のようにも思えましたが、このマツは特に内側の葉が枯れている状態で、カビの痕跡さえ見当たらなく、マツ枯れを発症するカビ病ではないようです。
幹の巻きもの「コモ」の話しになりました。
手入れが十分でないマツに、せめてもの補いにと・・・、付けられたそうです。
マツへの想い、。(′▽`o優しさがじーんと伝わってきました。
松の手入れ
今後については、樹勢回復のためマツの周辺や根周りを清潔な環境に整え、内側にも日が当たるように風通しを良くし、これからは庭師によって施肥や手入れなど定期的な管理を行って樹勢を強めていくお話しをしました。
(翌年の様子)
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