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秋に美しい紫色の実がなる植物
コムラサキ(小紫)・ムラサキシキブ(紫式部)
(写真上:コムラサキ(小紫))
秋に紫色の実をつける、枝垂れ(しだれ)る姿が美しいムラサキシキブです。自然の趣(おもむき)をいかした野性味(やせいみ)があるお庭によく映えます。
よく似た「ムラサキシキブ(紫式部)」と「コムラサキ(小紫)」
自生種と園芸品種
「ムラサキシキブ(紫式部)」と「コムラサキ(小紫)」は、とてもよく似ています。
一見、見分けが付かないですが別種です。「自生種」と「園芸品種」に分かれます。
自生種:ムラサキシキブ
(紫式部)
ムラサキシキブ(紫式部)は、日本に古くから自生し、山地の湿地や森林に生えています。
樹高が高く、枝が直立していて果実の付き方がまばらです。
園芸品種:コムラサキ
(小紫)
コムラサキ(小紫)は園芸品種で、庭や生垣・公園や庭園に植栽されています。
樹高1~2mで、枝を垂らすように伸ばし、果実がたくさん付きます。
園芸上、「ムラサキシキブ(紫式部)」の殆どは、コムラサキ(小紫)を指します。流通上でも混同されていることが多いです。
コムラサキ(小紫)の呼び名
・コムラサキシキブ(小紫式部)
・コシキブ(小式部)
名前に「コ(小)」が付くのは、どれもコムラサキ(小紫)のことです。庭木として栽培(植栽)されている大半は 「コムラサキ(小紫)」です。
園芸品種の「コムラサキ(小紫)」は、自生種の「ムラサキシキブ(紫式部)」に比べて、果実も葉も小ぶりで「コムラサキシキブ(小紫式部)」ともいわれています。
別名:コシキブ(小式部)ともいいます。
コムラサキ(小紫)・コムラサキシキブ(小紫式部)・コシキブ(小式部)
樹高が低く、枝が枝垂れ(しだれ)ます。
枝が弓状に枝垂れる姿が本当に美しいコムラサキ(小紫)です。(※枝が垂れるのはコムラサキ(小紫)です。ムラサキシキブ(紫式部)の枝は垂れません)
艶のある紫色の果実
(写真:紫色の果実)
ムラサキシキブの特徴は、何と言っても鮮やかな光沢のある紫色の実です。
コムラサキ(小紫)、ムラサキシキブ(紫式部)ともに、学名に Callicarpa(カリカルパ)が付いています。
Callicarpa(カリカルパ)は、ギリシャ語で「callos(美しい)+carpos(果実)」という意味です。
秋に色づく紫色の実
ムラサキシキブの実は9月~11月頃、花後にできます。果実(かじつ)は、葉の付け根あたりにまとまって付きます。
10~11月になると緑色から明るい紫色に熟していきます。
果実の観賞
花姿も可愛らしいのですが、花よりも実の美しさを観賞する目的で植えられることが多いです。
(写真:コムラサキ(小紫)は小さな紫色の実を沢山つけます)
ムラサキシキブ(紫式部)、コムラサキ(小紫)
見分け方・違い
一番の違いは、枝と実の付き方です。
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実の付き方 自生種のムラサキシキブ(紫式部)は、実(み)の付き方が疎ら(まばら)で間があいた感じに成ります。 |
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枝垂れ ムラサキシキブ(紫式部)の枝は上や横方向に直立して伸び、コムラサキ(小紫)は下方向に枝垂れます。 |
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葉と花(実)の付く 位置 ムラサキシキブ(紫式部)は、花と葉の根元がほぼ同じところから出ますが、コムラサキ(小紫)は少し(2~3mm)離れています。 |
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葉の鋸歯(きょし) ムラサキシキブ(紫式部)の葉の縁(ふち)は全てにギザギザの鋸歯(きょし)がありますが、コムラサキ(小紫)は、葉の先端半分にしかギザギザがありません。 |
遠くから見分ける時は、全体の樹形を見ると分かります。
ムラサキシキブ(紫式部)はやや大型で樹高が高く(2~3m)、コムラサキ(小紫)は低めで樹形がこんもりとしています(樹高 1~2m)。
一目で見分ける時は、やはり枝の流れ(伸び方)を見ます (*´∀`*)。 枝が垂れ、実が固まって付いていれば、それはコムラサキ(小紫)です!
植栽されている大半は、コムラサキ(小紫)です。※コムラサキは、コムラサキシキブ(小紫式部)ともいいます。
コムラサキ(小紫)の開花・花姿
コムラサキ(小紫)の花期は6月~8月頃です。
夏になると淡紫色(薄いピンク色)のとても小さな花を、房状(ふさじょう)に咲かせます。
春以降に伸びた新枝に花芽をつけます。花は、根元に近い方から順次開花します。
(写真:コムラサキ(小紫)の花)
花の先が4つに裂け、雄しべ4本、雌しべ1本が花冠(かかん:花びらの集まり)の外へ突き出るように伸びます。
・枝の毛
枝の色が紫を帯びています。新枝には毛がありますが後に無毛になります。
ムラサキシキブの植栽
ムラサキシキブは夏に小さな花を咲かせ、秋には紫色の美しい実がなり、季節を通して長く観賞できる植物です。
自然の趣(おもむき)があるお庭によく合います。和風の店舗用植栽物としてもおすすめです。料亭や旅館の庭先・坪庭、和風庭園などで植栽されています。
海外から訪れた方々にも「和の趣き」を感じていただけると嬉しく思います。
コムラサキ(小紫)・コムラサキシキブ(小紫式部)の剪定
自然樹形を楽しめる樹木ですが、切り戻し剪定を行うと枝がよく伸び、枝葉が茂りすぎると見苦しくなります。
剪定の適期は、12~2月頃です。
・樹形の乱れ
茂りすぎて枝が混み合っている場合は、花芽のついていない落葉期に、不要な枝や枯れ枝を取り除きます。
途中から切ると、そこから枝分かれして樹形が乱れてしまいます。切り戻し剪定をして樹形を整えていきます。
(※切り戻し剪定は、古い枝を切り新しい枝に更新するために行います)
コムラサキ(小紫)は、冬に葉を落とします。
葉が落ちだしたらそろそろ枝を切っていく準備です。
(写真:葉がない実と枝)
この姿が一番お好きだという方も多いです。
実の観賞のため、剪定を遅らせるとしても、2月までには行います。果実は冬になると自然と落ちていきます。
・剪定のポイントは、長い枝を短い枝に切り替えます。
どこで剪定してもよく芽吹きますが、伸びすぎた枝は花が付きにくいので、長い枝を間引き、短い枝を残すようにして、付け根から切り落とします。
細い枝は冬になると枝先から枯れていきますので、枯れた枝は取り除きます。
コムラサキ(小紫)・ムラサキシキブ(紫式部)も育て方は同じです。
乾燥に弱く、湿り気がある環境を好みます。
コムラサキ(小紫)・ムラサキシキブ(紫式部)ともに、耐寒性、耐暑性に強く、丈夫で育てやすいです。
・日当たり、土壌、水やり
やや湿り気のある土壌(どじょう)を好みます。
日当たりが良いと花付き・実付きもよいですが、乾燥に弱く、西日を避けた明るい日陰(半日蔭)で育ててください。
・紫式部は水不足に弱いです。
コムラサキ(小紫)を、庭植え(地植え)で育てる場合は、ほぼ降雨のみで育ちますが、少し水分を多めに与える方が良いです。
湿り気がある環境を好みます。
・夏場の乾燥には注意してください。
(写真:水切れを起こすと葉がパリパリになっていき、枯れてしまいます。)
(>ω<;)
土の表面が乾いたら、たっぷりと水を与えます。
コムラサキ(小紫)は生育が旺盛です。次々と脇枝を出します。
枝がワサワサになってきたら古くて長い枝から剪定して樹形を整えます。
コムラサキ(小紫)の増やし方
・挿し木
コムラサキ(小紫)は挿し木で増やすことができます。
前の年に伸びた枝を使う場合は、3~4月が適期です。
・種
種からも育てられます。10~11月頃、秋に成った実から種を取り出し植えます。
・株分け
コムラサキ(小紫)は園芸品種です。株分けで増やすことが出来ますが、自生種のムラサキシキブ(紫式部)は株分けで増やすことはできません。
秋風に揺れるコムラサキ(小紫)のを見ていると和風植物の美しさを感じます。
庭のライトアップ(屋外照明)
飛び石などがあるアプローチに、植栽を照らすLED照明(フットライト)を埋め込んで、コムラサキ(小紫)にライトアップして晩秋の風情を楽しむのもいいですね。
山崎造園では、坪庭の設計・施工、照明設置工事も行っております。
足もとの安全、光による防犯、植栽の中に設置する(下から照らす)ライトアップや間接照明の低ボール灯など、庭園灯、LEDソーラーライトについてもお気軽にご相談ください。
植木の手入れから庭工事まで一貫して対応いたします。
生け垣用・庭の仕切りなどには半球形の樹形に仕立てる
コムラサキ(小紫)
(写真:枝垂れ(しだれ)る姿が美しい樹形のコムラサキ(小紫))
コムラサキの枝は、弓状(きゅうじょう:ゆみなり)にしならせて枝垂れ、半球形の樹形になります。
生け垣用・半球形の樹形に仕立てる
植え込みや生垣のように樹形を維持する場合は、枝が地面に付かないように毎年こまめに剪定して全体を切り詰めていきます。 小ぶりに育てられます。
コムラサキ(小紫)・コムラサキシキブ(小紫式部)の落葉
コムラサキ(小紫)は落葉低木です。秋が深まる頃、葉が落ち枝と実になります。
(写真:コムラサキ(小紫)の枝垂れと実)
すっかり落葉してしまった冬枯れのコムラサキ(小紫)も風情があります。
枝と実を楽しみ、12月~2月頃までに剪定をします。
コムラサキ(小紫)は、生け花やドライフラワーにも使われています。
【葉】:葉っぱを乾燥させると香りがあります。
【生け花】:実と枝のコムラサキ(小紫)は、秋の生け花にも使われます。(※生け花には、葉っぱが無い状態で使うことが多いそうです。花屋さんからお聞きしました。)(*^▽^*)
【ドライフラワー】:コムラサキ(小紫)の葉をむしり、実と茎(枝)だけにして乾燥させると「ドライフラワー」としても楽しめます。乾燥するのが早くて簡単にできます。
コムラサキ(小紫)の手入れ・寒肥
コムラサキ(小紫)は、鉢植えでも栽培出来ますが、生育旺盛ですので根詰まりを起こしやすいこともあり、地植えするのが一般的です。
庭植え(地植え)の場合は、肥料を与えなくても育ちますが、やせ地だと土に栄養が無く実付きが悪くなってしまうことがあります。
育ちが鈍いようなら年に1回、冬の間に(1~2月頃)に油粕(油かすなどの有機肥料)を枝元に施すと生育がよくなります。
害虫・病気
コムラサキ(小紫)・ムラサキシキブ(紫式部)は、病害虫にも比較的強いですが、日当たりと風通しが悪い場所では実付きも悪くなり、病気や害虫が付くことがあります。
・葉が白くなるウドンコ病にかかりやすい・・・。
全体が粉をまぶしたようになったら「ウドンコ病」かもしれません。病気になった枝は切り取り、薬剤を散布し予防します。拡大を防ぐには、日当たりのよい場所(湿気がある明るい半日陰)に移植した方がよい場合もあります。
・毛虫の発生、葉を虫に食べられる・・・。
枝が垂れる姿を観賞したいけど、残念なことといえば、葉が虫に食われやすいです!!毛虫が発生しやすいです。
庭園などではこまめな手入れをして虫から予防しています。
食べられた葉をそのままにしておくとキズ口から変色していきます。見つけたら早めに摘み取ります!
・枝や葉っぱにブツブツ?!・・・。果樹に付きやすい硬くて丸い害虫
茂りすぎた環境だと茎葉に硬い殻で覆われた「カイガラ虫」が発生することがあります。
放置しておくと、びっーしり付きます。
見つけたらブラシでこすり落とし、害虫を防ぐには剪定し風通しをよくするとよいです。
コムラサキ(小紫)、ムラサキシキブ(紫式部)の紅葉・冬
(写真:ムラサキシキブ(紫式部)の紅葉)
コムラサキ(小紫)、ムラサキシキブ(紫式部)ともに
秋深まると葉は黄色く紅葉します。
冬になると葉はなくなり、実(み)は自然に落ちていきます。
実の中に大きな種が1つ入っていて、野鳥たち(ツグミ・メジロなど)が食べに来ます。
コムラサキ(小紫)の仲間
(写真:シロシキブ) |
白い実のシロシキブ(白式部) ムラサキシキブの園芸種で、白い実を付ける品種があります。
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山崎造園では、造園工事・庭の設計・施工、玄関アプローチや階段の設置、門柱・ブロック塀・レンガ工事、駐車場の整備と植栽(駐車場緑化)、公共事業(公共施設周辺緑地等)における造園土木工事や記念樹の植栽、植木・垣根の手入れ(剪定・伐採・消毒・刈り込み)など、傾斜や高所作業も行っております。
小紫(コムラサキ)が枯れてきた・・・、粉をまぶしたような姿になっている・・・、枝に虫のようなものが付いている・・・、実の付きが弱くなった・・・、などお困りではないですか?
小紫(コムラサキ)、ムラサキシキブ(紫式部)の剪定・管理、手入れについてもお気軽にお声掛けください。
花壇の入れ替え・年間管理も承っております。
主要地域 :造園工事・庭リフォームも対応いたします!
兵庫県宍粟市内(一宮町、山崎町、千種町、波賀町)、姫路市、たつの市、揖保郡、佐用郡、神崎郡、朝来市、福崎町、他
高砂市、加古川市、太子町、相生市、赤穂市、加西市、小野市、加東市、三木市、西脇市、明石市、播磨町、稲美町、市川町、神戸市、他 近畿周辺 )
樹形の乱れ、葉はボロボロ。゚(゚´Д`゚)゚。
コムラサキ(小紫)コムラサキシキブ(小紫式部)
2018.11.13
こちらのお宅は、自然樹形を楽しもうと、何年も放任していたそうなのですが、 「今年は...天候のせいか、枝が見苦しく混み合ってきた」とのご相談でした。
葉がボロボロに・・・。゚(゚´Д`゚)゚。
痛んでいない葉っぱがないくらい...でした・・・。
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