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イチョウの木・特徴・樹形・イチョウの葉・楽しみ方
イチョウは、葉のカタチが扇形をしている中国原産の落葉高木で、黄色く紅葉する景観が美しい樹木の一つです。雌雄異株で、雌株(めかぶ)に銀杏(ぎんなん)がなります。イチョウは春から夏にかけて枝葉がよく茂り、緑色の葉で木陰を作ってくれます。11月中旬になると鮮やかな黄色に紅葉し、12月中旬には葉が散りはじめ、散り積もった葉で一面が黄金色の絨毯(じゅうたん)になる風景も見応えがあります。イチョウは学校や公園、街路、庭園 等、身近なところで見ることができます。
一斉に散り出すイチョウ(銀杏/公孫樹)の葉
イチョウ(銀杏/公孫樹)の葉っぱの散り方は、一斉(いっせい)です。散りだすと早く、数時間~ほぼ1日で枝だけの姿になります。葉がひらひらと舞い落ち、ときにはザザッと、次々に散っていく様子を眺めるのも一味ある光景です。葉が散ったあとの地面には、葉が敷き詰められ、黄金の絨毯(じゅうたん)のような光景になり、これもまた秋の風物詩です。
(風に舞うイチョウの葉)
(黄金色の絨毯、あっという間に散り積もるイチョウの葉)
(散り出すと、ほぼ1日で枝だけになるイチョウの木)
一度は作ってみたい!イチョウの葉でつくるバラのような花束
イチョウの葉は水分が多く、散った後もしばらくは弾力があって靱やか(しなやか)な質感です。イチョウの落ち葉を束ねてバラのような花束が作れます。イチョウの葉の楽しみ方の一つです。
(SNSでも話題、イチョウの葉でつくる花束)
(イチョウの葉を束ねてつくった花)
イチョウの花言葉は「長寿」
イチョウ(銀杏/公孫樹)の花言葉は「長寿」「荘厳」「鎮魂」です。イチョウの寿命はとても長く、何百年、数千年ともいわれ、生命力が強い樹木です。日本各地でイチョウが神木として大切に育てられています。
(神社に植えられているイチョウ)
イチョウの木で造られた高級材
イチョウの材は、均一で歪み(ひずみ)が少なく弾力性があるのが特徴です。淡黄色の木色が美しく、将棋盤(しょうぎばん)や碁盤(ごばん)の材に使われることでも知られています。イチョウの材で造る「まな板」は、刃当たりが優しく切れ味が長持ちします。長寿祝いの贈り物にも喜ばれる品です。
(イチョウの材で作る高級「まな板」)
(イチョウの材で作る「将棋盤」)
街路樹に植えられるイチョウ
イチョウ(銀杏/公孫樹)の性質は、とても強健で寿命も長く、学校や街路樹としても使われています。 道路沿いに植える木にイチョウが選ばれる理由としては、「景観の美しさ」というのは勿論ですが、排気ガスなどの公害にも強く、バッサバッサと切る「強剪定」が容易な性質という維持管理面の観点からも選定される木です。
(何百mもの道路沿いに植えられているイチョウ)
(街路樹に植えられているイチョウの景観)
延焼(えんしょう)を防ぐ、防火樹のイチョウ(銀杏/公孫樹)
イチョウ(銀杏/公孫樹)の木は、古くから「火事の時に水を吹く」と例えられる程、枝葉に豊富な水分が含まれており、燃えにくい性質を持っています。
樹幹に水分を含むの木は、カシ(樫)やナラ(楢)も有名ですが、イチョウは、樹皮が厚くて水分が多く耐火力に優れていることから、延焼(えんしょう)を防ぐ「防火樹」として、江戸時代の頃からお寺や神社の境内に植えられてきました。
(樹齢400年、山の中の大イチョウ・岩戸落葉神社(いわとおちばじんじゃ)はイチョウの落ち葉で知られています:京都市北区)
火災から建築物を守るイチョウ
イチョウの木が火災から守った伝説が各地に残されています。火災から建築物を守るために植えられる木を「火伏の木」(ひぶせのき)とも呼ばれます。
火に強い性質の木(燃えにくい木)・火気に耐える樹種・防火樹
防火樹の役目としても植えられる「火に強い性質の木」は、イチョウ以外にも、サンゴジュ、ツバキ、サザンカ、どんぐりの木(シイ(椎)、カシ(樫)、ナラ(楢))、カエデ、モッコク、ネズミモチ、クロガネモチ、ポプラ、セイヨウツゲ、シラカシ、マテバシイ、マサキ等々も、水分を多く含んでいる防火性がある樹木としてよく知られています。
(燃えにくい樹木、サザンカとイチョウの植栽)
イチョウの四季・春夏秋冬
イチョウ(銀杏/公孫樹)は、秋になると葉が黄色く色づく樹木です。季節ごとにさまざまな姿で景観を彩ります。
イチョウの冬は落葉し、初春になると緑色の新芽が出てきます。春の穏やかな暖かさで一気に成長し、4~5月にかけて枝葉が沢山茂り、花も咲きます。秋は葉が黄色く紅葉し、12月上旬にもなると鮮やかな黄色の景観をつくり出します。12月中旬には葉が舞い落ち、葉が散った一面に黄金の絨毯(じゅうたん)が見られます。
イチョウの春春は、イチョウがいっせいに芽吹き(めぶき)ます。初夏にかけて、明るい緑色の若葉が美しい時期です。 |
イチョウの花イチョウの花は、葉の付け根につきます。4~5月頃に新葉と共に小さな花がつきます。雌株(めかぶ)の花後は銀杏の実になり、雄株(おかぶ)の花後は落下します。 |
イチョウの雌と雄の見分け方・花のカタチ・特徴
雄株(おかぶ)の花は、尾のようなカタチをしています。花びらはなく、花粉を作る袋が集まった長い穂状です。花後は落下します。
雌株(めかぶ)の花は、短い花茎(かけい)の先端がふたつに分かれ、球体のカタチをした小さな粒のような胚珠(はいしゅ)を2個付けます。のちに種子(銀杏の実)になる部分です。
イチョウの夏イチョウの夏は、葉の色が濃くなっていきます。枝葉がたくさん茂り、夏は木陰を作ってくれます。 |
イチョウの実イチョウは雌雄異株(しゆういしゅ)で、雄株(おかぶ)と雌株(めかぶ)があり、種子(実)を付けるのは雌(メス)の木です。夏、7月頃になるとイチョウの雌株(めかぶ)の葉の付け根から種子(実)が実りはじめます。 |
イチョウの種子(実)は、9月~10月になるとオレンジ色に熟していきます。
イチョウの秋イチョウは、11月頃になると朝晩の温度差で一気に紅葉が進みます。葉は黄金色(鮮やかな黄色)に紅葉します。12月上旬には黄金色の美しい景色が楽しめます。 |
イチョウの葉イチョウ(銀杏/公孫樹)の葉は、扇型をしています。緑色から黄色に紅葉します。イチョウの葉は赤くならずにずっと黄色いままで落葉します。 |
イチョウの落ち葉
初冬の空気になった12月中旬、イチョウ(銀杏/公孫樹)の葉がパラパラと散っていきます。イチョウは散りだすとあっという間に枝だけの姿になります。散った一面に黄金色の景観をつくり出します。早い落葉は12月上旬から始まり、イチョウの落ち葉が見せる秋の風物詩です。
(地面に散り積もったイチョウの葉)
イチョウの冬イチョウの葉と実が落下した後は、本格的な冬の訪れです。イチョウの冬は、枝だけの姿になります。イチョウの太くて真っ直ぐな幹と見事な枝ぶりを現わす時期です。イチョウの剪定は落葉後~冬の休眠時期に行われます。 |
イチョウ(銀杏/公孫樹)の紅葉・葉色の変化
イチョウの紅葉は、朝晩の温度差で葉色が変ってきます。気温が高いと紅葉のはじまりは遅れます。イチョウの紅葉(黄葉)期間は長く、11月上旬から下旬にかけて見頃を迎え、12月上旬になると散り出しはじめ、黄金の絨毯(じゅうたん)を楽しめます。
(イチョウの紅葉(黄葉))
紅葉はじめ
イチョウの葉は、日当たりが強いほうから黄色く紅葉していきます。内部が混み合っていたり、日陰になっている部分は、黄色く紅葉しないまま落葉することもあります。
葉色のグラデーション
イチョウの葉は、外側から黄色く色づき出します。11月上旬は、鮮やかな黄色に染まっていく葉色のグラデーションがとてもキレイな時期です。
紅葉した木々の夕暮れ
11月下旬の秋晴れ、晴れて澄んだ空気の夕暮れ時は、太陽が沈む夕焼けの色に輝く自然美の景観に感動します。日本の四季の中でも、紅葉した木々の美しさは外国人観光客の方にとっても魅力の一つです。
(夕暮れ時のイチョウの景観)
落ち葉の観賞・イチョウの葉のカタチ
イチョウの葉は、葉柄(ヨウヘイ)が細長く、葉身(ヨウシン)が扇形のカタチをしています。イチョウの葉には、切れ込みが有るものと、無いものがあり、カタチが違う面白さがあります。
(イチョウの落ち葉、割れ目(切れ目)がない扇形)
同じイチョウの木でも、割れ目(切れ込み方)が浅かったり深かったり大きく裂けていたり、どの段階で異なるのかは一定ではないようですが、成長年数が大きく影響している説があります。
(イチョウの葉の割れ目(切れ目))
(イチョウの落ち葉)
イチョウの若木の葉(割れ目が大きい)
イチョウの葉の割れ目(裂け方)を比較してみると、幼木の葉は割れ目(切れ込み)が深く、成木になるにつれて浅くなる傾向にあるようです。
イチョウの実・銀杏(ぎんなん)は雌株(めかぶ)になります。
銀杏を「イチョウ」という時は樹木のことで、銀杏を「ぎんなん」という時は種子(実)のことをいいます。イチョウは雄雌異株で、銀杏(ぎんなん)が生るのは雌(メス)の木です。
(夏、実りはじめるイチョウの種子)
熟す前に収穫
10月に入るとイチョウの実・銀杏(ぎんなん)が黄色く色づきはじめます。銀杏(ぎんなん)の採取時期は9月に入った初秋です。熟す前に収穫を終えます。
銀杏(ぎんなん)は美味しいけど...臭いがキツイ?!
イチョウは裸子植物(らししょくぶつ)で、実・銀杏(ぎんなん)の皮には、悪臭になる物質が含まれています。実をつけた雌株(めかぶ)の周辺は、種子(実)が黄色に色づきだす頃からほのかに臭いだし、熟した種子(実)は自然と落ちはじめます。落下まじかのイチョウの近くにいくだけで強烈な臭いを感じます。調理すれば美味しいのに皮の臭さに驚きます。
(落下するイチョウの種子(実))
(熟して落下したイチョウの実)
(10月は台風も多く、強風で落下したイチョウの種子(実))
イチョウの実・銀杏の落下時期
イチョウの種子(実)は、早いと10月下旬ころから落下がはじまる地域もあます。11月中旬には熟し、落下がはじまるとボトボトと次々に落ち出します。※実の落下時期は地域によっても異なり、気温の変化によっては、実が熟すよりも先に葉が散る様子も見られます。
(実が落ちるよりも、先に葉が散ったイチョウの木)
落ちた実で地面が汚れる街路樹のイチョウ
ひと昔前といえば、街路樹のイチョウの下に銀杏(ぎんなん)の実が落ちて、グシャっとなっている歩道もありました。実を踏まないように気を付けて通る光景も今では見る機会が少なくなっています。近年の街路樹や公園樹など通行人の多い場所に植えられるイチョウは、銀杏(ぎんなん)が実らない雄株(おかぶ)が多く使われています。
(実がなる雌(メス)の木、街路樹のイチョウ)
街路樹のイチョウは雄(オス)の木へ
イチョウの実・銀杏(ぎんなん)は、熟すと独特の臭いがある上に、ゴロゴロした実が落ちるのは、歩行者等の妨げになる等の理由もあり、あえて実(み)が付かない雄(オス)のイチョウを街路樹に選定しているところもあります。
イチョウの秋は「臭い・汚い」から「キレイ、歩きたい」に変わっていったのは、雄株(おかぶ)が植えられるようになった背景が大きいように思います。
春の訪れとともに芽吹きはじめるイチョウ(銀杏/公孫樹)
イチョウは、春になると枝々に新芽が出てきます。春から初夏にかけて緑色の葉で覆われます。
(イチョウの新芽)
イチョウの新芽
イチョウの葉は、生えてきた時から、小さいながらも扇形のカタチをしています。
イチョウの雄花(おばな)・雄(オス)の木・落花する雄花
イチョウの花は、葉の付け根につきます。イチョウの花には「花びら」はなく、雄(オス)の木の花(雄花)は、花粉の袋の集まりが尾のような形状で2~3cmくらいの大きさです。イチョウの雌(メス)の木には銀杏(ぎんなん)になる花がつきます。
(雄(オス)の木のイチョウの花)
(イチョウの雄(オス)の木、尾状の花の落花)
イチョウの幹・縦に筋が入り凸凹した質感の樹皮
イチョウの木は大きく育ち、幹も太くなります。イチョウの幹の表面はコルク質で、ゴツゴツした厚い樹皮をしています。これから何百年と生きていく立派な樹皮です。
(イチョウの幹、樹皮)
イチョウの幹
イチョウは真っ直ぐ大きく育ちます。幹の色は、灰褐色(はいかっしょく)で、灰色がかった茶色です。樹皮の質感は凸凹(でこぼこ)で縦(たて)に筋が入るのが特徴です。
気根を出す古木のイチョウ、乳銀杏(チチイチョウ)・乳房状の気根・垂乳根
イチョウ(銀杏/公孫樹)は、古木になると気根(きこん)を出し、枝や幹から垂れ下がってくることがあります。樹齢が古いイチョウに見られる現象です。気根が乳の形に似ていることから、「乳銀杏(チチイチョウ)」とも呼ばれています。天然記念物や文化財に指定されるなどの名木に多く見られます。
(太い気根が、幹から垂れている乳イチョウ)
(複数の気根が、枝から垂れている乳イチョウ)
垂れ下がるイチョウの気根
イチョウの枝や幹の一部から発生する気根(きこん)は、地面に着くと「根」を出し、幹の一部となることもあります。垂れた成長途中で枝に変化することもあります。
乳の発生は、雄(オス)雌(メス)の木に限らず樹齢が古い木に乳柱が出てきます。
学校・教育、大学のキャンパスに多い イチョウの木・成長のシンボル
イチョウは、保育園・幼稚園、学校・大学など学問に関わる施設の「記念樹」にも植えられる他、キャンパス内やスポーツ広場、緑化公園などの成長のシンボルツリーにもなっています。
(シンボルツリーのイチョウ)
宮沢賢治作の童話 「いちょうの実」 のお話しは、 イチョウ(お母さん木)が旅立つ子供たち(実)に黄金の葉を散らした…とあり、旅立つ“いちょうの実”は未来を夢見る、そんな我が子たちの成長が擬似的に描かれています。
(公園のシンボルツリー、イチョウ)
イチョウは「水吹き銀杏」ともいわれます。
イチョウ(銀杏/公孫樹)は、枝葉に水分を多く含み、燃えにくい性質を持つ樹木です。大きく育ち枝葉もよく茂り、「暴風、防火林」としての役目でも植えられています。
(キャンパス内のイチョウ並木)
(建造物を守るイチョウの生垣)
イチョウの生垣
イチョウは枝葉が密に茂ります。刈り込み剪定にも強く、生け垣にする際は、50、60cm以上の間隔をあけて植え付け、設計した高さに成長したら中心の樹芯を切って上に伸びる成長をとめます。
イチョウが落葉したあと、冬の間は、枝を大きく広げた見事な枝ぶりを現わす時期です。イチョウの剪定は、落葉後の11~12月頃と、休眠期を終えた新芽が芽吹きはじめる前の2月下旬~3月頃、年2回の剪定で維持・管理をしていきます。
イチョウの樹形、雄(オス)の木と雌(メス)の木の枝振り・違い・見分け方
イチョウの樹形は、雄株(おかぶ)と雌株(めかぶ)の枝振りに違いがあります。イチョウは風媒花で、花が多く付く位置にも特徴があります。
雌株(めかぶ)の枝ぶり 雌(メス)の木は、主枝が水平に出て、横に広がる枝振りが特徴的で、全体的に枝の発生がまばらです。枝先が垂れる傾向が強いです。 比較的、低い位置に多数の花がつきます。 |
雄株(おかぶ)の枝ぶり 雄(オス)の木は、主枝が斜め上に立ち上がり、細長い枝振りで、全体的に枝が密に発生します。枝先が上に向いて立ち上ががっていきます。 比較的、高い位置に多数の花がつきます。 |
※ただし、剪定の影響を受けたものは一概ではなく、どちらか判別できない中間的な枝ぶりもあります。
(イチョウの雌(メス)の木、横に大きく広がる枝ぶり)
(イチョウの雌(メス)の木の枝ぶり、枝先が垂れる傾向にある)
イチョウの雄(オス)の木・街路樹の枝振り
イチョウ並木など街路樹に植えられているイチョウは、雄(オス)の木が大半です。イチョウの雄(オス)の木の枝ぶりは、上に向いて伸びる硬い印象をしています。
(街路樹のイチョウの枝ぶり、雄(オス)の木)
街路樹のイチョウ 枝ぶり 毎年、同じ位置で剪定を繰り返した樹形です。切り口から放射状に枝が伸び、剪定した箇所が肥大してきます。 |
街路樹のイチョウ 枝ぶり 街路樹に植えられている多くは雄(オス)の木です。細長い枝振りが特徴的で、枝先が上に向いて育ちます。 |
ブツ切りに剪定する街路樹のイチョウ(銀杏/公孫樹)
街路樹のイチョウが、ブツ切りに剪定されている姿をよくみかけます。街路樹は、車道側・歩道側に枝が侵入できる生育空間が限られており、毎年「刈り込み」剪定を行い、広がりを制御してスリムな樹形を維持しています。
(街路樹のイチョウ)
(毎年同じ位置から伸びる街路樹のイチョウ)
「透かし剪定」で円錐形に整える自然樹形のイチョウ
イチョウを自然樹形に仕立てるには、込み過ぎた枝や不要な枝を切り、透かし剪定をして円錐形(えんすいけい)に仕立て、上に伸びる性質を活かす樹形が理想です。
(自然樹形のイチョウ)
(円錐形の樹形、イチョウ並木)
主幹を切って高さを調整している小ぶりのイチョウ
イチョウ(銀杏/公孫樹)は、落葉高木です。大きく育ち場所もとりますが、庭園や中庭など限られた空間で育てる際は、これ以上大きくしたくない位置で主幹を切り、高さを調整できます。
(高さを調整している公園のイチョウ)
(芯止めしたイチョウ)
高さ調整・芯止め・剪定・武者立ち
イチョウの剪定で武者立ちは、幹の成長点(真ん中の主幹)を切ると上に伸びる成長が止まり、切り口付近から伸びてくる枝数を増やしていく仕立て方です。ボリュームのある樹形になります。
圧巻のイチョウ・大木になるイチョウ(銀杏/公孫樹)、巨木・長寿
イチョウ(銀杏/公孫樹)は、落葉高木で大きく育ちます。日本国内のイチョウで樹高20~30mを超える大木が各地にあり、樹齢500年、1000年以上の長寿が天然記念物に指定されています。
(写真は、丹生酒殿神社の大イチョウ、樹高約25mの迫力)
(樹齢300年、和歌山県伊都郡かつらぎ町三谷)
(写真は、佐用の大イチョウ、樹高約35m[ひょうごの巨樹・巨木100選])
(樹齢1000年、兵庫県佐用郡佐用町佐用3171)
記念樹のイチョウ・植栽・植え付け
記念樹と共に成長する子供たち。大人になって懐かしむ「あの頃の思い出の木」になって欲しい、そんな思いもこめて記念樹を植え付け、5年後、10年後をイメージしながら丁寧に手入れをしていきます。
(校庭に植えられているイチョウ)
イチョウの間隔が狭いと、互いの枝が絡み合う・・・!?
イチョウは幹の直径が1m以上になる落葉高木で、樹形が横にも拡がる樹種です。複数並べて育てる際は、将来の成長を見込み、植え付け当初から十分な間隔を確保するようにします。
(枝が絡み合っているイチョウ)
(隣接する樹木との間隔が狭いイチョウ)
イチョウの植栽間隔の調整
隣接するイチョウの間隔が狭いと、地中では根も絡み合っています。成長につれて互いの枝が絡み合い、枝の重なりで常に影ができるなど悪環境となり、枯れ枝の発生が起こりやすくなります。
植栽間隔は、イチョウの成長後の樹冠(完成樹形)にもよりますが、枝を広げる樹形の場合、隣接する樹木との植栽間隔はできるなら10m以上が望ましいとされています。間隔が狭い場合、横に広がらないように剪定で枝振りを調整する他、移植、伐採(撤去)等も検討が必要になってきます。
(複数の枝が絡み合っている狭い植栽間隔のイチョウの内部)
大きく育てるイチョウ
小ぶりに育てるイチョウ
庭の年間管理・紅葉が映える和風庭園
秋が深まる11月にもなると、和風庭園では、常緑樹の緑、赤く紅葉する樹木、黄色に紅葉するイチョウやザクロなど、写真に撮りたくなるほどみごとな景観をつくりだし、日々の手入れが現れます。
(和風庭園の庭を彩る紅葉)
(イチョウがあるお庭)
高木の剪定・伐採・伐根、高所作業
山崎造園では、造園設計・施工、エクステリア・外構工事・造園土木・公共緑化工事、 戸建て住宅の緑化工事、料亭や茶室や庭園の園路、玄関周辺の階段工事、庭木(植木)の.剪定・手入れ、肥料やり、害虫予防・消毒など、庭木の維持管理を行っております。
敷地内にある木が育ち過ぎていませんか?枝の剪定作業、育ち過ぎた大木の伐採、電線まで伸びてしまった枝など、高台の作業もクレーン付きトラック(高所作業車)を使用して安全に伐採・伐根・移植します。
お庭のリフォームから新築住宅の庭工事まで、工事の大小に関わらずぜひご相談ください。
(枝の広がりを抑えた並木通りのイチョウ)
イチョウが散った景観が一段とキレイな理由
2024.12.19
イチョウの葉が散った一面には黄金色に輝く光景が見られます。
植物研究によると、イチョウには他の植物の生長に影響する特有成分が含まれていることが明らかになっており、イチョウ林の下などは他の植物が育たないとされています。
わたくしども造園技能士や庭師も、イチョウの周辺に気を配り、低木や花木などを根元に植えることはなく、イチョウを活かします。
山崎造園のブログ「 イチョウの葉が散った景観がキレイな理由」の記事でも紹介しています。
なんて読む?イチョウの漢字表記
2021.11.29
イチョウの和名は、漢字で「銀杏」と書きます。
一般的に、ギンナン(銀杏)は、イチョウの実(種子)のことで、イチョウというと、木そのものを示すときに使われます。
イチョウを漢字で表記すると
「銀杏(ギンナン)」、
「公孫樹(コウソンジュ)」、
「鴨脚樹(ヤーチアオシュー)」、
どれもイチョウのことです。
山崎造園のブログ「 「銀杏」と「イチョウ」の呼び名」 の記事でも紹介しています。
イチョウの紅葉 黄色い絨毯(じゅうたん)
2019.12.3
イチョウの葉が黄金色に輝くのは11月下旬頃が見頃です。落ちた葉が積もり、足元は見事な黄色い絨毯(じゅうたん)が広がります。
イチョウの葉っぱがパラパラと舞い落ちてきました。
一斉に落ち出すイチョウの葉
イチョウの葉っぱが一斉に落ち出す現象はよく知られた話です。葉がパラパラとまたパラパラ、それを繰り返し、早いときは数時間、ほぼ1日で枝だけになります。
山崎造園のブログ「 イチョウの紅葉」 の記事でも紹介しています。
日本一多く植えられている街路樹はイチョウ
2016.12.13
国土交通省の調査によると、日本全国の街路樹は675万本あり、一般国道、主要道の街路樹に植えられている木の種類は、
1位・イチョウ(57万本)、 2位・サクラ(49万本)、 3位・ケヤキ(48万本)で、 「イチョウは大気汚染に強く、丈夫な木です。都会を中心に街路樹として日本一多く植えられています。」 (引用:2007年街路樹の調査結果)
兵庫県内に植えられている街路樹(高木)で一番多いのは、兵庫県の県木でもあるクスノキが1位です。以下上位はケヤキ,イチョウ,サクラ類,トウカエデとなっています。
我が宍粟市には、葉っぱにギンナンの実が付く オハツキイチョウ(お葉付きイチョウ) があります。 宍粟市の天然記念物に指定されています。
山崎造園のブログ「 街路樹のイチョウ」 の記事でも紹介しています。
11月~12月 宍粟市周辺の見どころ
宍粟市は兵庫県中西部に位置し、地域の人々により守り育てられている“豊かな自然”や、 四季折々の花が咲き誇る“花の名所”が各地にあります。 宍粟市に隣接する「佐用町」のおすすめ観賞スポットにも是非訪れてください。
一度は見てみたい葉っぱにギンナンの実が付くイチョウ
兵庫県宍粟市・教福寺のオハツキイチョウ(お葉付きイチョウ)
わが町、宍粟市の教福寺(きょうふくじ)のオハツキイチョウは、樹齢数百年と推定、樹高22mの巨木です。宍粟市指定天然記念物に指定されています。
オハツキイチョウは全国的にみても数十本程度しか見つかっていない珍しいイチョウです。
オハツキイチョウは、葉の縁(フチ)に実(ぎんなん)を付けるイチョウの変種です。種子が葉上にできることからこの名が付いたようです。
※オハツキイチョウ
オハツキイチョウは、雄(オス)株で葉辺に葯(やく:花粉が入った袋)をつけるものと、雌(メス)株で葉面上や葉縁に種子をつけるものがあります。
・ 場所:教福寺 兵庫県宍粟市千種町西山122
・ 詳しくは → 宍粟市にある教福寺のオハツキイチョウ
(地域コミュニティひょこむのホームページ)
宍粟市のイチョウ 大きな銀杏の木が2本
岩上神社(宍粟市山崎町)の大イチョウ
宍粟市山崎町の梯(かけはし)にある岩上神社の大イチョウは、拝殿前に樹齢500年の二本のイチョウが立ち並んでいます。
秋になると一面が黄葉の絨毯(じゅうたん)に染まります。
ここはお参りをする「拝殿」だけがある静かな空間です。宍粟市には岩上神社が他にもあり、イチョウが二本立ち並んでいるのは、姫路市立梯野外活動センター近くの道沿いのほうです。
・ 場所:兵庫県宍粟市山崎町梯304(姫路市立梯野外活動センター近く)
・ 詳しくは→岩上神社の大イチョウ
(しそうツーリズムガイドのホームページ)
樹齢1000年のイチョウ・兵庫県の指定天然記念物
兵庫のイチョウ第2位を誇る巨木
佐用の大イチョウ
佐用町の象徴にもなっている樹齢1000年の「佐用の大イチョウ」は、かつてこの場所にあった「如意輪山満願寺」の境内に茂っていたイチョウが大木となったものです。
佐用町の大イチョウは、台風で枝が折れ、落雷で幹が裂かれるなど、天災に耐えた強くて威勢のあるりっぱな姿をしています。
佐用町の大イチョウは、県の指定天然記念物でもあり、佐用町の町木にも制定(平成22年10月1日)されています。
「美しいひょうごの森づくり」一般社団法人 兵庫県治山林道協会 発行の
【兵庫の巨樹・巨木
「ひょうごの巨樹・巨木100選」 】(No.18)に紹介されています。
・ 樹齢1000年
・ 幹周/8.61m、樹高/35m(兵庫のイチョウ 第2位を誇る巨木です)
・ 場所:JR佐用駅 徒歩約10分「児童公園」
・ 詳しくは→佐用の大イチョウ
(佐用町のホームページ)
(佐用の大イチョウ)
1月・赤い実の果樹木・落葉樹 冬に紅葉する低木・オタフクナンテン |
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6月・赤い実の果樹木・落葉樹 ジューンベリー(アメリカ采振木) |
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11月・落葉低木 黄色く黄葉するクロモジ |
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9月・庭園樹 槙の庭木・生垣 マキの木(イヌマキ/ラカンマキ) |
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6月・白い花が咲く和風の庭 夏椿(ナツツバキ)・沙羅の木(シャラノキ) |
9月・葉は花を見ず、花は葉を見ず 彼岸花(曼珠沙華・ヒガンバナ) |
12月・冬の花壇 ハボタン(葉牡丹) |
8月・秋の花壇 韮(ニラ)の花・ハナニラ |
9月・庭の手入れ 芝生・庭に生える キノコ(毒キノコ) |
7月・夏の花壇 ミニひまわりの花壇・栽培 |
8月・甘くやさしい香りの樹木 三大香木の金木犀(キンモクセイ) |
6月・梅雨~初夏の花 ヤマボウシ(山法師) |
5月・庭の手入れ・雑草対策 どくだみが大量に繁殖?! |
5月・春の花壇 ムスカリ(ムスカリー) |
4月・散房花序に咲く花・多年草と一年草イベリスの違い 宿根イベリス |
4月・剪定・枝の処理 サクラ(桜)の木 |
1月・早春を告げる花木 梅の木(花ウメ)・サクランボの花 |
3月・冬から春の花壇 パンジー、ビオラ |
12月・サザンカとツバキの違い サザンカ(山茶花)の花 |
2月・ロウバイの植樹・花の見分け方 香りの花木・ロウバイ(蝋梅) |
10月・紫色の実が付く植物 ムラサキシキブ(紫式部) |
1月・長寿・幸福を祝う花 福寿草(ふくじゅそう) |
8月・サルスベリの花を再び咲かせる『2度切り』 サルスベリ(百日紅)の剪定 |
12月・冬の花壇・ミニシクラメン ガーデンシクラメン |
7月・樹皮がすべすべの樹木 サルスベリ(百日紅)の花 |
11月・生垣・庭木の植栽 ヒイラギ(柊) |
5月・花と実を楽しむ 姫りんご(姫林檎)の木 |
10月・紅葉を楽しむ イチョウの木(銀杏の実) |
2月・和が映える庭木 ツバキ(椿) |
9月・秋の花壇 アメジストセージ(サルビア) |
1月・香りを楽しむ ハーブの植栽 ローズマリー |
8月・夏の花壇 マリーゴールド |
12月・赤い実の縁起木 赤い実の千両,万両,百両,十両,一両 |
7月・果樹を育てる ブルーベリー(Blueberry) |
11月・生垣の紅葉 ドウダンツツジ(灯台躑躅) |
6月・雨の中を彩る花 紫陽花(あじさい) |
9月・秋の風物詩 巨大なススキ?パンパスグラス |
5月・梅雨に咲く花 菖蒲(アヤメ) |
8月・秋の七草 桔梗(キキョウ) |
4月・藤棚(パーゴラ)の設置・補修 フジの花・剪定・花後 |
7月・タカサゴユリ・シンテッポウユリの見分け方 テッポウユリ(鉄砲百合) |
3月・春の風物詩 菜の花(アブラナ) |
6月・色が変わる花 ランタナ(七変化) |
2月・下向きに咲く花 スノードロップとスノーフレーク |
5月・和風も洋風にも映える花 カサバルピナス(傘葉ルピナス) |
1月・門松のご注文・配達・引き取り 迎春(門松・お正月飾り) |
4月・雑草対策にもなる植物 シバザクラ(芝桜) |
12月・冬の庭に咲く白い花 プリムラ・シネンシス(雪桜) |
2月・春を告げる花 希少植物・セツブンソウ(節分草) |
11月・紅葉を楽しむ モミジ(紅葉・もみじ) |
1月・氷柱ができる植物 氷の花・シモバシラ(霜柱) |
10月・秋の風物詩 ススキ(芒・薄)・オギ(荻) |
12月・官兵衛飛躍の地・宍粟市 メグスリノキ(目薬の木) |
9月・秋の花壇 地植えのコスモス・手入れ |
11月・銀青色を帯びた葉色・クリスマスツリーの木 銀青色の針葉樹・プンゲンストウヒ |
8月・ヒマワリの役目・緑肥植物 ひまわり畑はなぜ? |
10月・花のある暮らし 秋色あじさい |
7月・香りを楽しむ庭 ミントの栽培・お困り事 |
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