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イヌマキ/ラカンマキの特徴、植栽・剪定・仕立て方・手入れ
槙の木(イヌマキ/ラカンマキ)の特徴
イヌマキ・ラカンマキは、常緑針葉樹です。古くから庭木に植栽されており、玉散らし仕立てや垣根にするのが定番の樹木です。一般のお庭でイヌマキの庭木を見る機会も少なくなりましたが、代々受け継がれているお屋敷や日本庭園などで見られます。
マキの実(イヌマキ/ラカンマキ)に果実が付くのは雌株(めかぶ)です。
マキ(イヌマキ/ラカンマキ)は、雌雄異株(しゆういしゅ)で、雄株(おかぶ)と雌株(めかぶ)があります。
初秋の9月~10月頃、雌株(めかぶ)に実が付きます。
球形の果実が2つ串団子のように連なっているのが特徴です。
鑑賞するのマキ(槙)の木(イヌマキ/ラカンマキ)
庭園のマキ
マキの木(イヌマキ/ラカンマキ) は、常緑性の針葉樹です。細長い葉っぱをたくさん茂らせ松に似ています。
成長するとその樹形は堂々たる姿をしていて、ため息が出るほどすばらしく、立派に仕立てられます。
手入れはとても大変で、何年もかけて樹形を造っていきます。
病気や害虫の被害に合わないように、剪定はもちろんですが、害虫がつくシーズンには消毒をするなど、日頃からの手入れが必要になる樹木です。
それを維持していく手間もかかり、それだけの価値が高級樹といわれるところです。
イヌマキ(犬槙)とラカンマキ(羅漢槙)の違い
・マキの種類
マキはマキ科の常緑樹で、葉が密に茂ります。
「イヌマキ」と「ラカンマキ」はよく似ています。
・葉の違い
イヌマキの葉は長く、10~15cmになり垂れます。
ラカンマキの葉は短く、4~8mmくらいで上向きです。
・樹高さの違い
イヌマキは、高木で高さ20mにもなります。
ラカンマキは、イヌマキの変種で小型種で高さは5m程にとどまります。
・成長速度の違い
ラカンマキの成長はイヌマキに比べて遅めです。
イヌマキは芽吹きが強く、生垣にも多く使われます。
暖地に分布する樹木です。日本の気候ではぐんぐん成長することはなく、何十年もかけて育ていきます。
高木のイヌマキ(犬槙)
イヌマキは、樹高15~20mに育つ常緑高木です。
マキ(槙)の木は基本的に日当たりを好みますが、明るい日陰の環境でも育ちます。
伝統的な「玉散らし」は庭に風格をもたらします。
小型種のラカンマキ(羅漢槙)
樹高20mにも成長する「イヌマキ」に対し、「ラカンマキ」は樹高5m程度の小型種です。
(写真:ラカンマキ)
ラカンマキ(羅漢槙)は、葉も小さめで密に茂ります。
ラカンマキの成長は、イヌマキに比べると遅めです。
年月をかけて手入れをしていきます。
半円状に仕立てる庭木の樹形(イヌマキ/ラカンマキ)
イヌマキとラカンマキともに「刈り込み」剪定に強く、好みの樹高、樹形に仕立てることができます。
イヌマキ(犬槙)の仕立て方
「玉ちらし」
マキの庭木は、主幹から伸びた枝ごとに丸く刈り込む「玉散らし」に仕立てるのが一般的です。
松のように弧(こ)を描くような曲線に仕上げます。

防風林として植樹する槙の木(イヌマキ)
高木になるイヌマキ(犬槙)は、潮風にも強い性質です。 海辺の潮風にも比較的耐えます。
イヌマキは、伸びる勢いがあり葉が長く茂り、枝が細かく密集します屋敷林や防風林としても植樹されている樹木です。
庭園や神社等の防風林としても植栽されています。
道沿いの生垣に植樹するマキの木(イヌマキ/ラカンマキ)
マキ(槙)の木は、刈り込みに強く大気汚染にも強い性質です。 道路側の生垣にも向いています。 敷地と道路を区切る目隠し生垣にも使われています。
マキは刈り込むほど枝が密になります。西風が強い場所では周囲を囲う風避けの「防風垣」にも使われています。沿岸地方の生垣に多く見られます。
敷地の広い家・屋敷を囲むようなマキの生垣は、美しい風景をつくりだします。
マキの生垣 樹形(イヌマキ/ラカンマキ)
マキの生垣の樹形は、基本的に四角形に刈り込みます。
四角形に刈り込む剪定は、刈込みばさみ(刈込鋏)で全体の形や輪郭を刈りそろえます。
マキの剪定・手入れ(イヌマキ/ラカンマキ)
・刈り込み剪定
マキの「刈り込み剪定」は、刈込みばさみ(刈込鋏)や電動の生垣バリカンで全体の形や表面の輪郭を刈りそろえる剪定方法です。
・間引き剪定
マキの「間引き剪定」は、植木鋏や剪定ばさみ(剪定鋏)を用いて間引いて透かしていく剪定方法です。
マキの手入れ・剪定時期
槙(マキ)は、年2回の剪定が基本です。毎年、春(4~6月頃)と秋(9~10月頃)が適期です(地域によります)。
(写真:8月のマキの生垣)
初秋になると、夏に伸びた新葉が樹形を乱します。秋の剪定で樹形を整えます。
秋(9~10月頃)の剪定
夏に伸びたこのような勢いの強い枝を途中で切ると、そこからまた勢いよく芽が出てきます。
勢いのある枝は、手作業で剪定します。枝を少しひっぱるようにして出所をたどり、枝の付け根で切り落とします。
マキ(イヌマキ/ラカンマキ)は、寒さに弱い性質があり冬の剪定は避け、晩秋までには手入れを終わらせるようにします。
マキの刈り込み剪定(イヌマキ/ラカンマキ)
マキの防風垣・手入れ
壁面のようなイヌマキの生垣は、電気式の刈込機等を使って、全体の形や輪郭が四角形の樹形になるように切り落としていきます。
壁面のように敷地を囲む
マキの防風生垣
(写真:マキの刈り込み剪定)
初夏(5~6月頃)の剪定
マキの刈り込み剪定剪定は、5〜6月頃が適期です。輪郭を整えたあと、マキの内部に曲がりくねった枝などは刈込みばさみ(刈込鋏)で整えます。
刈り込み剪定は、短時間で作業でき、マキの芽数を増やして密にしたい、枝数を増やしたい場合に適しています。
イヌマキの生垣・剪定後の葉枯れ
マキの輪郭を揃えるように刈り込んだ後は、葉の先や切り口、葉の断面が一時的に枯れたように茶色くなりますが、新葉が出てまた緑で覆われていきます。
マキは枝分かれしやすく、曲がりくねった枝が密になります。
壁面のようなマキの生垣は迫力もあり立派な樹形になるのですが、刈込みばさみ(刈込鋏)による手入れを毎年繰り返し行っていると、内部がかなり密になります。
(枝葉が密になったイヌマキの生垣)
マキは枝や葉が密集になり過ぎると、病気や害虫の発生リスクが高まります。
イヌマキはよく芽吹きますので、輪郭を揃える刈り込み剪定を繰り返すだけでなく、数年に1度は、内部の手入れ・間引き剪定を兼ねられることをおすすめしています。
マキの間引き・透かし剪定(イヌマキ/ラカンマキ)
マキの生垣を「透かし剪定」する際は、植木鋏や剪定ばさみ(剪定鋏)を用いて、間延びした枝や無駄枝、交差枝、伸びすぎた枝や混み合っている枝を間引くように透かしていきます。
古い葉や、変色した葉も取り除きます。株元に生えている細い枝も取り除きます。
マキの生垣・透かし剪定
マキの透かし剪定は手作業で行います。電動で刈り込む剪定とは違って、手間も時間もかかりますが、密に茂った内側の日当たりや風通しを改善できます。
生垣の向こうがやや透けるような感じで、不要な枝や枯れ込んだ箇所を切っていきます。
私有地の境界や敷地内の区分け生垣に植え付けるマキの木(イヌマキ/ラカンマキ)
マキの木は、枝を伸ばす力が強く色々な樹形に仕立やすいです。 私有地の境界や敷地内の区分け生垣としても植えられています。
小型の生垣に植栽
マキの生垣は、植え付ける間隔を、おおよそ40~50cm間隔で、等間隔に列植します。
間隔が狭いと日光が入りこまず、下部の枝が少ない樹になってしまいます。
マキは、数年後を見据えて植え付けます。
(写真:マキの植え付け 生垣の植栽)
マキの樹形・株立ち樹形、単幹樹形
幹が複数本立つ樹形を「株立ち(かぶだち)」といい、一本の幹で構成される樹形を「単幹(たんかん)」といいます。
マキの幹は根本から直立し、幹が太りとても立派になります。
(単幹樹形のイヌマキの生垣)
イヌマキの生垣 単幹(たんかん)樹形 |
イヌマキの庭木 株立ち(かぶだち)樹形 |
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イヌマキは常緑高木です。幹も太くなります。 根元近くから分岐せず一本の幹で育てる「単幹(たんかん)」樹形が基本です。 |
マキは実をつけて種を落とします。
このイヌマキの「株立ち樹形」は、こぼれ種から発芽してそのまま育ち、樹形が株立ち状になったものだそうです。 |
イヌマキはもともと大木となる木で、幹も枝も太ります。
株立ち状に育てるには不向きです。
マキが株立ちした複数本の幹は、成長するとやがて窮屈になるかと思いますので移植をおすすめします。

マキ(槙)の葉色(イヌマキ/ラカンマキ)
葉の特徴
イヌマキとラカンマキ、どちらも葉も平たく細長い葉が、枝に輪生状に付きます。
マキの葉の裏面は薄緑です。
深緑色に薄緑のコントラストが映えます。
葉の色・新葉
マキの葉の表面は深緑色で光沢があります。
濃い緑の葉は前年に、黄緑色の葉は今年出た葉、新葉(しんば)です。
マキの花(イヌマキ/ラカンマキ)
マキは5~6月に開花します。細長い花が近い葉の付け根に付きます。
薄黄色で、葉と同じくらいの長さです。
マツの花に似た円柱形になります。
ミニトウモロコシのような印象です。
(写真:花粉放出前)
花粉を放出すると、隙間が見えてきます。
(写真:花粉放出後)
(写真:春 マキ(槙)の花)
2つの実がくっついている果実(イヌマキ/ラカンマキ)
マキは、秋、9月にもなると実が付きはじめます。2つの実がくっついている特徴的な果実です。2つの実(種子と花托)は串団子のように中(花托の中心)に軸があり、くっついています。
(※実をつけるのは、雌株(めかぶ)です。)
マキの実(イヌマキ/ラカンマキ)
種子(しゅし)と花托(かたく)
・種子(しゅし)
マキの実の先端の白い粉をまぶしたような緑色の部分を種子(しゅし)といいます。中に種が入っています。
※マキの実の種子は有毒物質が含まれているため食べられません。
・花托(かたく)
マキの実の後ろ側に付いているのは、花托(かたく)です。(※花床(かしょう)とも呼ばれます)
花托(かたく)は、食べれます。
マキの実は黄色から熟すと赤紫色になります。やや甘味がある味です。鳥さんも食べにきます。
イヌマキとラカンマキの葉っぱ・見分け方
「イヌマキ(犬槙)」と「ラカンマキ(羅漢槙)」、どちらもマキ(槙)の木です。違いを一言でいうと、イヌマキは大きく、ラカンマキは「イヌマキ」の小型種で、葉も実も樹高も小ぶりです。
イヌマキ(犬槙)
葉の特徴
イヌマキの葉は、長さは10~15cmぐらいで、やや大きめです。やや開きぎみに育ちます。
イヌマキの葉は長めで、広がるように育ちます。
ラカンマキ(羅漢槙)
葉の特徴
ラカンマキの葉の長さは4~8㎝程度の短かめです。
ラカンマキの葉は密に茂ります。樹高も小ぶりです。
葉は短めで、やや上を向いて育ちます。
一年中葉があるマキの冬越し(イヌマキ/ラカンマキ)
マキの木(槙の木)は、常緑性の針葉樹です。一年中葉があります。
暖地で育つ樹木・寒さに弱い
マキは、-10度の気温でも耐えるほど耐寒性は強いとされていますが、もともと暖地で育つ樹木です。寒冷地の地植えは少々厳しいです...。
寒さに弱いので、関東以北ではやはり育ちにくいです。
山崎造園は、庭木の植栽・剪定・手入れ、外構・エクステリア工事の造園専門業者です。
高所作業、伸びすぎた木の伐採、垣根の設置・撤去・植え替え、アカマツ(赤松)・クロマツ(黒松)、ごようまつ(五葉松)マキ(槙、イヌマキ、ラカンマキ)の手入れ・年間維持管理についてもお気軽にご相談ください。
高級庭園樹の植栽・剪定・手入れ
台杉がある庭 |
マキの木がある庭 |
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樹形を整えて鑑賞する庭木 高級庭園樹 シロスギの台杉仕立て |
樹形を整えて鑑賞する庭木 高級庭園樹 ラカンマキの庭木 |
優雅で繊細な姿の台杉です。台杉は、1本の幹から3~5本の立ち木がまっすぐ伸びるその姿に魅了されます。 | マキの木(イヌマキ/ラカンマキ)は、代々受け継がれているお屋敷の庭にある庭木です。その堂々たる姿はため息が出るほどすばらしく魅了されます。 |
主要地域 :造園工事も対応いたします!
兵庫県宍粟市内(一宮町、山崎町、千種町、波賀町)、姫路市、たつの市、揖保郡、佐用郡、神崎郡、朝来市、福崎町、他 ,
高砂市、加古川市、太子町、相生市、赤穂市、加西市、小野市、加東市、三木市、西脇市、明石市、播磨町、稲美町、市川町、神戸市 )
マキの木(イヌマキ)の実
2022.10.20
マキ(槙)は、イヌマキとラカンマキがあり、似ています。
葉がやや開きぎみで大きくこれはイヌマキです。実(み)は、雌株(めかぶ)に付きます。
面白い形です(笑)ほんとお団子みたい! 串刺し団子状に付いてます。
これから~12月にかけて熟していきます。
4月~5月、9月~10月はマキの剪定時期です。
2023.09.24
9月中旬にもなると、朝晩は涼しさを感じるようになりました。
春~夏に伸びたイヌマキの生垣です。
9月にもなるとイヌマキの樹形が乱れています。マキは寒さに弱く冬の剪定を避け、春と秋に剪定を行います。
9-10月 宍粟市周辺の見どころ
宍粟市は兵庫県中西部に位置し、地域の人々により守り育てられている“豊かな自然”や、
四季折々の花が咲き誇る“花の名所”が各地にあります。
宍粟市周辺のおすすめ観賞スポットにも是非訪れてください。

~兵庫の巨樹・巨木100選~
県内最大級の「イヌマキ」
伊丹市・中野稲荷神社 (いなりじんじゃ)
兵庫県伊丹市北部、中野北(中野稲荷神社)にある「イヌマキ」が見事100選に選ばれました。
一般的に庭園などで古木が見られるがこの大きさは稀です。兵庫県下でも最大級のイヌマキです。
・場所:兵庫県伊丹市中野北2丁目27番地
・詳しくは→中野稲荷神社のイヌマキ
(伊丹市のホームページ)
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