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冬に咲く花、生垣・庭木 サザンカ(山茶花)
(写真:サザンカ(山茶花)の庭)
♪ さざんか ♬ さざんか ♪ 咲いた道~ ♫
サザンカは、童謡「たき火」の中に登場することで冬の風物詩としても親しまれています。
サザンカの特徴
サザンカ(山茶花)は、ツバキ科の常緑小高木で、樹高は2m~6mほどに成長します。原産地は日本です。主に本州、四国、九州、沖縄に自生しています。和名は「山茶花(サザンカ)」、学名は「Camellia sasanqua(カメリア サザンカ)」、英名では「Sasanqua(サザンカ)」と呼ばれます。花が少ない冬の時期に白、ピンク、赤といった色鮮やかな花を咲かせます。
(サザンカの庭木)
サザンカの開花は、10月から12月にかけて咲くサザンカ系の品種や、11月から3月ごろまで咲くカンツバキ系の品種など、種類や性質によって咲く時期や伸び方の特徴が異なります。
(サザンカの庭木)
サザンカはツバキ科の日本固有種です。
サザンカ(山茶花)は古くから庭木として植えられ、冬に咲く花として親しまれています。特に江戸時代には茶の湯が盛んになり、茶室の床に飾る「茶花(ちゃばな)」として用いられてきました。
また、サザンカの花はツバキととてもよく似ています。名前の由来は、ツバキ(椿)の中国名の山茶花(さんさか)が訛ったものとされています。
(サザンカの庭木)
(床の間の茶花(ちゃばな))
サザンカの花の特徴
サザンカ(山茶花)の花は、中心からふんわり平ら状に広がるように咲きます。また、散るときは花びらが1枚ずつ散り、地面を彩るのもサザンカの魅力です。
サザンカの観賞時期
サザンカ(山茶花)はツバキに並んで冬に咲く花を代表する存在です。サザンカにはいくつもの品種がありますが、観賞時期は12月頃が一番の見頃です。
(サザンカの庭木)
サザンカの香り
サザンカ(山茶花)の花には、微か(かすか)ですが香りがあります。すっきりとした甘い香り系が多く、品種や花の色によって香りが異なります。
サザンカとツバキは似ていますが、ツバキ(椿)の花に香りはありません。
可愛いハート型の花びら
サザンカの花は、1枚1枚の花びらがハートのカタチをしています。
散った花びらのサザンカが可愛いとされる理由の一つです。
サザンカの樹高
サザンカ(山茶花)は10m未満の常緑性小高木です。立ち性の品種は、樹高が2~6mに成長します。花が少ない冬の庭園を彩る象徴的な存在になります。
(広い敷地のサザンカ)
(和風庭園のサザンカ)
(サザンカの植栽)
サザンカの巨木・名所
サザンカ(山茶花)寿命は長く、庭木で60~70年という古木が数多く点在しています。また、日本国内には樹齢100年を超える10m以上の巨木が、四国や西日本南部、中部地方などで発見されています。
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日本国内のサザンカの巨木で有名なのは、三重県松阪市の天然記念物に指定されている「高瀬家のサザンカ」(三重県松阪市)が知られています。樹高約12メートル、幹周り約1.5メートルに達しています。推定樹齢は150年以上。 (#松阪市観光協会) |
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西方寺(さいほうじ)のサザンカは、地面約0.8mの位置で幹が数本に分岐し、枝を横方向へ伸ばしている県下でも有数の巨木で、紅色の花が11月頃に咲きます。推定樹齢600年。 (#丹波篠山市) |
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大阪府指定天然記念物「野中寺のさざんか(大阪府羽曳野市)」は、12月に白い花が咲き、歌舞伎や浄瑠璃で有名な「お染・久松」ゆかりの木と伝えられ、枝と枝とがくっつき縁結びのさざんかと呼ばれています。樹高約24m、幹周り約5.8m、推定樹齢400年以上。 (#大阪府庁) |
似ている花、サザンカ(山茶花)とツバキ(椿)
見分け方・違い
サザンカもツバキも同じ「ツバキ科」で似ています。一目で見分けるには、花の散り方(落ち方)を見ます。 花ごと落ちていればツバキ、花びらが散っていればサザンカ(山茶花)です。
ツバキ(椿)の花は、花弁の下部の根元が合生(ごうせい)しているため筒状になっています。
サザンカ(山茶花)の花は平く開き、雄しべの先が放射状に広がっているのが特徴です。
サザンカとツバキは花姿だけではなかなか見分けが難しいほど似ていますが、花の散り方が違います。
ツバキは根元がつながっていて花ごと落ちますが、サザンカは根元が軽く合生(ごうせい)しているだけで散る時は花びらがバラバラに散ります。
ツバキの葉っぱは、葉のふちのギザギザ(鋸歯、きょし)が浅いですが、サザンカの葉っぱは、鋸歯(きょし)が深くギザギザが目立ちます。
サザンカの分類と特徴
サザンカ(山茶花)の性質は、品種によって特徴が異なります。咲く時期や花姿、樹高、植える場所などを考慮して用途に適した品種を選びます。
(写真:サザンカの庭木)
サザンカには、大きく3つの分類があり、「サザンカ系」は10月~12月頃に咲き、「カンツバキ系」は11月~3月頃まで楽しめるのが特徴です。
また、「ハルサザンカ系」は12月~4月に咲く品種が含まれます。それぞれ開花時期や性質が異なります。
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開花時期:10月~12月 サザンカ系 園芸品種 群 (葉はやや小さめです。) 自生種に近い性質を持つサザンカの園芸品種で、晩秋から冬に花を咲かせる早咲き種です。 |
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開花時期:11月~3月 カンツバキ系 園芸品種 群 (葉はやや大きめです。) カンツバキ系の園芸品種は、秋から冬に花を咲かせます。ツバキという名が付いていますが園芸上はサザンカに分類される寒咲き種です。 |
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開花時期:12月~4月 ハルサザンカ系 園芸品種 群 (春山茶花) ハルサザンカ系の園芸品種は、サザンカ(山茶花)とヤブツバキ(薮椿)の自然交雑種です。開花期が遅く、冬から早春にかけて(桜が咲く4月頃)まで咲くものまであります。 |
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開花時期:1月~4月 ツバキ(椿) (葉は、サザンカに比べると大きめです。) サザンカに似た ツバキ(椿)は、冬に花が咲きます。サザンカの花が咲いた後に咲き出します。 |
サザンカの植栽・樹形
樹形には、単幹と株立ちがあります。サザンカは種類が豊富です。品種によって成長の特徴があり、庭木として植栽する際は『1本仕立て(単幹)』や『株立ち』風の樹形どちらにも育てることができます。
(広がるような樹形のサザンカ)
(低木のサザンカ)
サザンカの葉は小さめで枝葉がよく茂り密度が高いです。その性質を活かして道路に面した花壇に植えたり、刈り込み剪定にも強い性質を活かして、摘芯などの作業を加えながら一定の背丈を維持した『低木の生垣』にしたり、下枝がなくなる性質を活かして『高低差をつけた植木』にすることもできます。
大木になるサザンカ・単幹樹形
サザンカをシンボルツリーとして育てる場合は、太い幹が立ち上がった単幹樹形の「一本仕立」が多いです。細めの幹が株元から複数立ち上がった「株立ち」でも大きく育てることができます。また、幹を露出させてひとつの木に複数の玉を作る「玉つくり」にも仕立てることができる樹木です。
(サザンカの単幹樹形(一本仕立て))
(サザンカの玉散らし剪定・玉つくり)
枝分かれした株立ち風の樹形
サザンカの樹形は、細い幹が複数立ちあがった株立ち風になる傾向があります。1本の幹が立ち上がった風格があるサザンカも見事ですが、比較的低い位置で枝分かれしたサザンカは自然の趣を感じさせる軽やかな印象があります。
(サザンカの樹形)
サザンカの生垣・密度を活かした樹形
サザンカはよく枝分かれする常緑樹で、剪定もしやすいため生垣(垣根)として利用されることが多いです。カンツバキ系の品種は低木で生垣によく利用されています。樹高が1m程度のサザンカを複数並べて庭の仕切りにもでき、60cm程度の背丈を維持して、樹木の株元の植え込みなどにも使われています。また、側面を丸く刈り込んで天辺と下の枝を平にして、全体が筒状になるように円柱型に仕立てることもできます。
(サザンカの生垣)
(サザンカの植え込み)
(円筒形状に仕立てた卵型樹形のサザンカ)
サザンカの性質・立ち性・横張り性
サザンカもツバキも種類が豊富です。見ただけでは品種の判断も難しく、庭木や生垣にする際は伸びる性質が後々の手入れに大きく影響してきます。サザンカ系園芸品種群は、枝が上に向いて伸びる「立ち性」が多く、カンツバキ系園芸品種群は、枝が横に向いて伸びる性質の「横張り性」が多いです。
(サザンカの立ち性と横張り性の違い)
(立ち性サザンカ)
(横張り性サザンカ)
サザンカの庭木・育てる場所
サザンカ(山茶花)は、日向から明るい日陰まで環境に順応する育てやすい常緑樹ですが、極端な日陰の環境は花付きに影響を与えることがあります。
(サザンカの庭木)
サザンカは、日当たりがよく、風通しの良い場所でよく育ちます。
西日が強くあたる場所では葉焼けを起こすことがあります。明るい場所で半日陰が理想です。
サザンカの植え付け(植え替え)の時期
サザンカ(山茶花)の植え付けは、春(3月中旬~4月中旬)と秋(9月中旬~10月上旬)が適しています。
(横張り性サザンカの庭木)
サザンカの移植
庭のリフォームなどで植物を移植する必要性がでてきた際、サザンカは移植ができる樹木です。
移植する時期は、新芽が出る前に行います。
サザンカが育つ土壌の調整
サザンカは弱酸性の土を好み、水はけと通気性の良い土壌が適しています。
サザンカを地植えする場合は、植え穴に苦土石灰を混ぜて土壌を整えます。さらに腐葉土を混ぜると根付きの良さに繋がります。
サザンカの剪定時期
サザンカ(山茶花)の花が終わった後の3~4月上旬が適しています。サザンカは、春から初夏にかけて新しく伸びた枝の先端や葉の脇に花芽をつけます。
また、サザンカは秋頃にも軽く徒長枝や不要枝を剪定することで、内部の風通しが良くなり、日光が枝葉全体に行き渡るように形を整えながら行います。
古い枝や弱っている枝を取り除くことで、見た目はもちろんですが、樹勢が良くなります。
サザンカの背丈を低くしたい
サザンカが高くなり過ぎた場合や、背丈を低く育てる際は、それ以上高く成長させないように「芯止め」を行える樹木です。
芯止めは、成長点を切って樹高を調整する剪定方法です。
サザンカは芽吹き力が強く、大木になったサザンカを思い切って短くした場合でも芽吹いてきます。
サザンカをこんもりした低い樹形で育てる際、早い段階で「芯止め」を行います。芽吹いた枝を外に伸ばしていくと、樹形がこんもりとしてきます。
サザンカの自然樹形
サザンカ(山茶花)は、新しく伸びた枝の先端や葉の脇に花をつけます。 剪定しないまま放置すると花の位置が年々 少しずつ高くなっていきます。
サザンカの自然樹形は、透かし剪定が基本です。伸ばす枝を定め、花の咲く位置を調節していきます。
横張り性のサザンカが大木になると、枝が横に広がり波打つような見事な樹形が形成されます。
サザンカの葉っぱが変色?!黄色くなっている・・・?
サザンカ(山茶花)の葉が黄色くなる原因の多くは、古い葉に入れ替わる現象かと思われます。サザンカは常緑樹ですが、冬の寒さで一部の葉が落ちてしまうこともあります。気温の影響で一時的に落ちた場合は、春になると新芽が出てきます。
(写真:サザンカの黄色い葉、撮影2月)
葉が変色する多くは気温差による生理現象ですが、そのほか、日照不足、肥料のやり過ぎ、栄養不足などでも葉が黄色くなります。
冬に咲く花・サザンカの耐寒性
サザンカ(山茶花)は秋冬に花が咲き、他の植物よりも耐寒性が高く、枝葉が密に茂り刈り込み剪定ができることも、生垣によく利用されている理由です。
サザンカの庭木に雪が積もった景観はとても風情があります。
サザンカは耐寒性が高いほうですが、なんにちも雪が降り続く地域では防寒対策を検討していきます。
サザンカ(山茶花)の種類
サザンカ(山茶花)の花の色は、ピンクや赤の単色だけではなく、斑が入っているものやグラデーションになったものなど、花姿も一重咲き・八重咲きや千重咲きなど種類が豊富です。洋風の庭にも合うバラのような華やかさがある品種もあります。
サザンカは古く江戸時代から沢山の園芸品種が生まれています。原種のサザンカは白花です。
サザンカが園芸植物として利用されるようになってからは、少なくとも350年が経過しており、その数は現在300品種に達する
(参照:京農工大学調べ サザンカ より引用)
サザンカが咲く頃に降る長雨「山茶花梅雨」(さざんかづゆ)
日本には四季があり、一年間に4回、季節の変わり目に降る長雨があります。
春~夏に降る長雨を「梅雨(つゆ)」、 夏~秋に降る長雨は「秋雨(あきさめ)」、冬~春に降る長雨は菜種梅雨(なたねづゆ)、
そして、サザンカが咲く頃、秋~冬に降る長雨を「山茶花梅雨(さざんかづゆ)」といいます。
サザンカの散り姿・花びら絨毯(じゅうたん)
(写真:サザンカの花びらじゅうたん)
地面に散った花びらと咲いている花を同時に見れるこの時期のサザンカが一番絵になるという園芸愛好家の方も多いです。
(雪景色のサザンカ)
山崎造園では、庭木(植木・生垣)の剪定・手入れはもちろん、造園設計・施工、生垣の設置・撤去など植え替え、建物周辺のエクステリア(外構)工事、 伐採・移植工事、記念樹の植栽、公共事業(公共施設周辺緑地等)における造園土木工事や道路・河川等の緑化整備も行っております。
(サザンカがある庭)
サザンカ(山茶花)の成長はゆるやかですが、芽吹きがよく新芽が次々と出て来ます。枝が伸び樹形が広がるように大きく育ちます。年々枝が混み合ってきます。木の内側まで日が入らなくなると風通しも悪くなり、 病気や害虫が発生しやすくなります。
(大きく育つサザンカ)
サザンカ(山茶花)は大きく育ちます。剪定など手入れができない高所作業にお困りの際は是非お声掛けください。高所作業車を使った高木の剪定やクレーンを使った斜面での作業、民家に近接した狭い場所での剪定(手入れ)にも対応しております。
(高く育ち過ぎたサザンカの剪定)
サザンカが枯れてきた・・・、枝がひょろひょろで葉っぱが少ない・・・、花付きが悪い・・・、葉が粉をふいたように白くなっていく・・・、サザンカの葉が変色してきた・・・、など樹勢の低下によるものは手入れ次第で回復できることが多くあります。
病害虫が発生しても諦めないでください。すでに大量の害虫が発生し退治がおいつかないような場合は、薬剤を使った害虫駆除にも対応しております。他の樹木に影響がないように工夫し周辺環境に配慮して行います。
主要地域 :造園工事も対応いたします!
兵庫県宍粟市内(一宮町、山崎町、千種町、波賀町)、姫路市、たつの市、揖保郡、佐用郡、神崎郡、朝来市、福崎町、高砂市、加古川市、太子町、相生市、赤穂市、加西市、小野市、加東市、三木市、西脇市、明石市、播磨町、稲美町、市川町、神戸市、他 近畿周辺 )、他
これからサザンカ(山茶花)を植えたい、石垣や竹垣と組み合わせたサザンカの生垣(垣根)を作りたい、サザンカの仕立て方、高さや幅、工事の方法についてなど、小さな事でもお気軽にご相談下さい。伐採と伐根(ばっこん)・移植工事、補修工事も行っております。
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兵庫県のサザンカ(山茶花)
兵庫県はサザンカ(山茶花)が多く植えられています。
サザンカの文化を辿る(たどる)と、兵庫県宝塚市、大阪池田市、愛知県稲沢市などで古くからサザンカの苗木が生産されていたという記録が残っていることからも、サザンカの気候に合う土地だったと思われます。
九州や西日本西南地方で多くの古木が見つかっています。サザンカが多い地域は緑化事業でサザンカを栽培しているところもあり、公園や広場、公民館、自治会が管理する神社や墓地等の公共の場所(公共施設)での植栽に、サザンカ等の樹木苗が配布されているそうです。
我が宍粟市に隣接する揖保郡太子町は「さざんか」が町木に選定(昭和51年4月1日)されているほか、姫路市では公共の場の植栽に限りサザンカ、ハナミズキ等の苗木が配られています。
12月の宍粟市周辺の見どころ
宍粟市は兵庫県中西部に位置し、地域の人々により守り育てられている“豊かな自然”や、四季折々の花が咲き誇る“花の名所”が各地にあります。 宍粟市周辺のおすすめ観賞スポットにも是非訪れてください。
聖徳太子ゆかりの寺・斑鳩寺(いかるがでら)
樹齢350年以上のサザンカ
揖保郡太子町の斑鳩寺(いかるがでら)の旧保性院(斑鳩寺庫裡)の庭に、こぶだらけの古木の風格を漂わせた樹齢350年以上のサザンカが2本あります。
庭の中と建物の入り口側です。高さは3メートル程で大きくはありませんが見事な幹のサザンカです。一本は一重のサザンカ、もう一本は二重のサザンカです。昭和56年に町指定天然記念物に指定されています。
・ 場所 兵庫県揖保郡太子町鵤 「斑鳩寺」(新西国三十三箇所第32番札所)
・ 見頃 11月中旬~1月上旬
・ 詳しくは→斑鳩寺のさざんか〔町指定文化財]
(太子町 のホームページへ)
(サザンカの蕾(つぼみ))
(開き出したサザンカの花)
(サザンカの花とつぼみ)
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