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庭木の植栽・記念樹 梅の木(花ウメ)の剪定
早春を告げる花木 ウメ(梅)
ウメ(梅)は、日本文化に馴染み深い花木のひとつです。日本最古の和歌集(万葉集)には "梅" を詠んだ歌が "桜 " よりも多く記されています。
花ウメ と 実ウメ
梅(ウメ)は・・・
観賞価値の高い花を咲かせる「花ウメ」と、薬や食品加工用の実をつける「実ウメ」に分けられ、目的の違いにより、剪定方法や肥培管理など栽培方法が異なります。
- (引用)みんなの趣味の園芸 NHK出版 -
ウメの木(花梅)の植栽
梅(ウメ)は春を告げる花として古くから親しまれている花木です。 公園や公共施設、旅館や日本料理店、神社などにも植えられています。
梅(ウメ)の植え付け 日当たり
ウメ(梅)は日光を好みます。
「梅の花付きが悪い(少ない)・・・」、「梅の木が枯れてきた・・・」という場合は、 大半が「剪定」と「日当たり」が要因になっていることが多いです。
植え付けは日当りのいい場所を選び、水はけが良い肥沃(ひよく)な土で育てます。
ウメ(梅)の育て方
支柱を立てる
(写真・ウメの若木)
梅の木は浅根性(せんこんせい)です。植えつけ時に支柱は必ずしも添えなければいけないという訳はありませんが、 風が強くあたる場所に植える際は支柱を立てます。
庭植え(地植え)の花梅
苗木の植え付けから2年は、土が乾いたらた~っぷりと水を与えるようにします。
(※植栽直後は根が切られているため、水やりが大事です!)
植えて2年以降の水やり
地植えにした梅 は、基本的に自然の雨に任せますが、 何日も雨が降っていない場合や土の表面が乾いているときは水を与えます。
ウメ(梅)の花芽
ウメは、葉のつけ根の芽が「花芽」になります。
7月下旬~8月に花芽が作られ来年の蕾が出てきます。
花後の手入れ
花後に勢いよく新枝が伸び、7月頃になると枝が込み合った状態になります。
花芽をつける枝に日が当たるように1つの枝に5~6芽残して不要な枝を間引き風通しをよくしていきます。
その際、「内芽」で切ると徒長枝が出やすいことから「外芽」で切るようにします。
※茎や枝に出来た細長く尖っているのは「葉芽」です。
ウメ(梅)の花
ウメの開花時期は品種によって異なりますが、1~3月頃、葉に先立って咲きます。
梅の花の付き方
花が付く茎(花柄:かへい)が短く、花や蕾(つばみ)が枝に付いているように見えます。
ウメの花色は、白、淡紅、紅、濃紅色まで種類も豊富です。
一輪の中に紅白が混ざる「絞り咲き(色が模様のように斑入りになった花びら)」になることもあります。
似ている花木 「梅・桃・桜」の花びら 見分け方
2019.03.05
春にかけて 梅、桃、桜 を見ることが多くなります。花を見て「これっ、桜? 梅? 桃?」迷ったことありますか?
梅の花びらは、先が丸くなっている。
桃は、先がとがっています。
桜は、先が分かれています。
花芽は短枝に沢山つきます。
ウメ(梅)は短い枝ほど花をつける短果枝です。
芽吹く力も強く、昨年伸びた枝全体に花が付きます。
梅の剪定適期
梅(ウメ)は、落葉樹(らくようじゅ)です。
梅は、秋から冬になるとすべての葉が落ち休眠に入ります。春、葉よりも花が先に付きます。
花ウメ
夏剪定
(7月上旬~8月中旬)
内部の枝に日が当たるように間引いて風通しを良くします。
病害虫の防除にもなります。
冬剪定(落葉期)で枝を刈り込みます。
12月下旬~蕾が付く(1月中旬)まで強く刈り込んで樹形を整えます。
枝を刈り込む際は、落葉後の12月~1月までに行います。
長い枝には花芽が付きにくいため、切り詰めます。
ウメ(梅)は、切り口の回復が早く、太い枝を切るような強剪定にも耐えられます。
ウメ(梅)の枝
ウメの枝は広く張り、斜上(または真上)の方向に伸びていきます。
2年枝の細く短い枝に花をつけます。枝の先端がとがっているのも特徴です。
ウメの木質は硬く、剪定をする際は木バサミやノコギリを使うこともあります。
ウメは花だけでなく、枝ぶり、樹形も観賞において重視されます。
「桜切る馬鹿、梅切らぬ馬鹿」、梅(ウメ)は切って育てる花木です。梅(ウメ)は、剪定しないと枝が増えて見苦しくなります。
ウメは剪定次第で翌年の花の付きが変わってきます。
「桜切る馬鹿、梅切らぬ馬鹿」という諺(ことわざ)は、サクラ(桜)とウメ(梅)は花姿も咲く時期も似ていますが、切り方(剪定方法)の違いを意味しています。
ウメは切ることで花付きが良くなります。1m以上にも伸びた長い枝は、枝元から剪定します。良い剪定をするとたくさん花を咲かせることができます。
ウメ(梅)の樹形 仕立て方
梅の木は、若いうちから「仕立て」作業を行って樹形を整えていきます。
(写真:自然形仕立ての梅の木)
梅は、細い枝をどんどん上へ伸ばしていきます。1年でかなり伸びます。刈り込めばいいものではなく、幹を伸ばすように剪定をしていきます。
毎年同じところで強剪定で刈り込を繰り返していると枝が太くなります。
ウメ(梅)の自然樹形は、枝の流れの優美さ、曲がりくねった幹にこそ味わいがあります。
サクラ(桜)は満開を楽しむ花木ですが、ウメ(梅)はチラホラ咲きの頃が観賞ポイントです。梅の花一輪一輪と枝ぶりを楽しみます。
(写真:背丈を低めに仕立てた梅の木)
梅は、樹高を低く、横広の樹形に仕立てることもできます。
老木になる頃には、「く」の字に曲がりくねった太い幹になり、ピンと伸びる枝が美しい、そんな古風なシルエットが想像できる樹形です。
※「く」の字に曲がりくねった枝づくり
ウメ(梅)の枝は、芽のすぐ上で切ると、その芽から新しい枝が伸びてきて、それを繰り返して曲がりくねった樹形をつくります。
背丈がある梅(ウメ)の樹形
自然樹形の梅の木
ウメ(梅)の木を自然樹形で楽しむには、丈を高くし、細い枝を出し、主枝を広げた樹形に仕立てます。
樹形内部の空間
茂り過ぎて日が当たらない下の方(内部)の枝が枯れてしまうことがあります。
不要枝を間引き、枝数が少ない位の状態にして梅の趣を楽しみます。
ウメ(梅)の樹高
ウメは枝先からまた新たな枝が伸びていきます。
庭やに植えている梅は2m~3m程度を維持するように剪定することが多く(古い枝には花がつきません。)ウメは枝を切って育てます。
ウメ(梅)の品種 花梅(はなうめ)・実梅(みうめ)
園芸上、ウメは果実を収穫する 実梅(みうめ) と、花を観賞する 花梅(はなうめ) に大別され、庭木の多くは『花梅(はなうめ)』です。
江戸時代の園芸ブームで品種改良が盛んに行われ、現在、花梅(はなうめ) だけでも300品種以上の品種が栽培されています。
ウメ(梅)の系性分類
ウメは、「野梅(やばい)系」「緋梅(ひばい)系」「豊後(ぶんご)系」の3つの系統に分かれます。
野梅系(やばい系)
ウメ全体の半分以上を占める品種です。
野生に近い性質。白色系の花が多い。枝の数は多く細い。葉は小型。
緋梅系(ひばい系)
紅色系の花が多い。幹や枝の芯が紅色を帯びている。
豊後系(ぶんご系)
アンズとの雑種と考えられている品種です。
枝の数はやや少ない。小枝が太く、果実も大きい。葉は大型。
花弁(花びら)が5枚の一重咲きや八重咲きなど多くの園芸品種があります。
花姿や枝ぶりも似ていることから、専門家でもなかなか一見で見分けるのが難しい花木です。
ウメ(梅)の寒肥え・お礼肥え
肥料は、12月~1月に「寒肥え」を行います。株元に数ヵ所穴を掘って埋めるように施します。
花後の「お礼肥え」は、4月頃が適期です。
梅干しや梅酒(食用)に使われる実ウメ(実梅)の実
実を収穫する実梅(みうめ)は、6月頃になると黄色に熟します。
果実は直径2~3cmの球形で片側に浅い溝があります。
雨が長く続く「梅雨(つゆ)」の語源は、 ウメ(梅)の実が成る頃に降る雨であることに由来します。
梅の収穫
梅の収穫時期は梅雨に入ってからです。
梅の実は熟成加減によって風味が変わります。使う用途に合わせて小瓶に分けて味わうのも楽しみのひとつです。
実ウメ(実梅)の葉
ウメの葉は、葉は卵形をした互生で、二重鋸歯があります。
先端が尖っているのも特徴です。
ウメ(梅)の名前
ウメ(梅)の学名はPrunus mume(プルナス ムメ、プルーヌス ムメ)といい、古名(江戸時代の頃)梅は「ムメ」と呼ばれていました。
英名は、japanese apricot(ジャパニーズ アプリコット)といいます。
ウメ(梅)の花芽は一節につき1個です。 花姿や樹形は、桜やアンズ、アーモンドに似ています。アンズ、スモモとの交雑品種も多いです。
枝垂梅(しだれうめ)
枝が垂れ下がるウメ(梅)です。料亭や旅館、庭園や寺などにも植えられています。
なだらかに垂れ下がる枝が美しい枝垂れ(しだれ梅)
しだれ梅(枝垂れ梅)の剪定
(写真:剪定前)
しだれ梅も一般の梅と同様です。
花後(葉が出る前)は枝のしだれ具合がよくわかります。
伸びすぎた枝や込み合っている不要枝を切り、内部に日陰を作らないように風通しを良くし、枝を1/3~半分くらいの長さに切ります。
梅雨から夏にかけて勢いの良い枝が伸びていきます。 樹形を整える剪定は休眠期(11月~1月頃)に行います。
梅は切って育てます。花つきがよく強健な樹木です。梅の木を放置していると枝がどんどん伸び、もっさもっさで見苦しくなります。
木の成長が5m以上にはならないと言われていますが、日当たりや環境が良いと10m近くになった梅の木も見てきました。
成長し過ぎて手に負えなくなった梅の木・・・、薬剤で枯らしたり、抜いてしまうこともできますが、一度バッサリ剪定して低木で育てられるように仕立て直しをする方法もあります。
病害虫予防 ウメ(梅)の手入れ
ウメ(梅)の木は病害虫がつきやすく、こまめに薬剤散布を行って予防をします。
害虫予防
夜間に葉を食い荒らすウメケムシ(梅毛虫はオビカレハの幼虫です) がよく発生します。冬剪定時(落葉期)に、枝に産みつけられた卵のかたまりを見つけたら取り除きます。他にもカイガラムシ、アブラムシに注意していきます。
病気予防
バラ科とあってうどんこ病にかかりやすく、春と秋の涼しい気候の時期に多く発生します。コウヤク病、かいよう病にも注意していきます。
梅の悩みでよくお聞きするのは・・・、害虫のことです。ヽ(ヾ;´Д`))
花後、剪定をしないまま梅雨をむかえると害虫が大喜びで繁殖します。
1匹や2匹の毛虫ならなんとかなっても数百匹になると駆除も大変な作業になります。梅の病害虫でお困りの際もお気軽にご相談ください。
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『 梅(ウメ)に鶯(うぐいす)』
2017.03.19
ウメ(梅)は、諺(ことわざ)にも多く使われています。
『 梅(ウメ)に鶯(うぐいす)』 は、梅(ウメ)の枝に鶯(うぐいす)がとまってさえずる、取り(鳥)合わせの良い 2つ の事柄を表す たとえで用いられます。
梅の小鳥・・・、 背中が緑で目の周りが白いのは、鶯(うぐいす)だった? 気が付かれましたか(笑)
鶯(うぐいす)は、梅の蜜(みつ)を吸わないので、梅の木に集まるこの鳥さんは、目の周りが白い「メジロ(目白)」という名前です。
むかしの人が、梅に集まる「メジロ(目白)」を、「鶯(うぐいす)」と混同したことから、「梅に鶯」となったようです。
メジロ(目白)さんもびっくりですよね。梅にとまっていると、「鶯(うぐいす)」と呼ばれているなんて(笑)
6月・赤い実の果樹木・落葉樹 ジューンベリー(アメリカ采振木) |
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11月・落葉低木 黄色く黄葉するクロモジ |
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9月・庭園樹 槙の庭木・生垣 マキの木(イヌマキ/ラカンマキ) |
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6月・白い花が咲く和風の庭 夏椿(ナツツバキ)・沙羅の木(シャラノキ) |
9月・葉は花を見ず、花は葉を見ず 彼岸花(曼珠沙華・ヒガンバナ) |
12月・冬の花壇 ハボタン(葉牡丹) |
8月・秋の花壇 韮(ニラ)の花・ハナニラ |
9月・庭の手入れ 芝生・庭に生える キノコ(毒キノコ) |
7月・夏の花壇 ミニひまわりの花壇・栽培 |
8月・甘くやさしい香りの樹木 三大香木の金木犀(キンモクセイ) |
6月・梅雨~初夏の花 ヤマボウシ(山法師) |
5月・庭の手入れ・雑草対策 どくだみが大量に繁殖?! |
5月・春の花壇 ムスカリ(ムスカリー) |
4月・散房花序に咲く花・多年草と一年草イベリスの違い 宿根イベリス |
4月・剪定・枝の処理 サクラ(桜)の木 |
1月・早春を告げる花木 梅の木(花ウメ)・サクランボの花 |
3月・冬から春の花壇 パンジー、ビオラ |
12月・サザンカとツバキの違い サザンカ(山茶花)の花 |
2月・ロウバイの植樹・花の見分け方 香りの花木・ロウバイ(蝋梅) |
10月・紫色の実が付く植物 ムラサキシキブ(紫式部) |
1月・長寿・幸福を祝う花 福寿草(ふくじゅそう) |
8月・サルスベリの花を再び咲かせる『2度切り』 サルスベリ(百日紅)の剪定 |
12月・冬の花壇・ミニシクラメン ガーデンシクラメン |
7月・樹皮がすべすべの樹木 サルスベリ(百日紅)の花 |
11月・生垣・庭木の植栽 ヒイラギ(柊) |
5月・花と実を楽しむ 姫りんご(姫林檎)の木 |
10月・紅葉を楽しむ イチョウの木(銀杏の実) |
2月・和が映える庭木 ツバキ(椿) |
9月・秋の花壇 アメジストセージ(サルビア) |
1月・香りを楽しむ ハーブの植栽 ローズマリー |
8月・夏の花壇 マリーゴールド |
12月・赤い実の縁起木 赤い実の千両,万両,百両,十両,一両 |
7月・果樹を育てる ブルーベリー(Blueberry) |
11月・生垣の紅葉 ドウダンツツジ(灯台躑躅) |
6月・雨の中を彩る花 紫陽花(あじさい) |
9月・秋の風物詩 巨大なススキ?パンパスグラス |
5月・梅雨に咲く花 菖蒲(アヤメ) |
8月・秋の七草 桔梗(キキョウ) |
4月・藤棚(パーゴラ)の設置・補修 フジの花・剪定・花後 |
7月・タカサゴユリ・シンテッポウユリの見分け方 テッポウユリ(鉄砲百合) |
3月・春の風物詩 菜の花(アブラナ) |
6月・色が変わる花 ランタナ(七変化) |
2月・下向きに咲く花 スノードロップとスノーフレーク |
5月・和風も洋風にも映える花 カサバルピナス(傘葉ルピナス) |
1月・門松のご注文・配達・引き取り 迎春(門松・お正月飾り) |
4月・雑草対策にもなる植物 シバザクラ(芝桜) |
12月・冬の庭に咲く白い花 プリムラ・シネンシス(雪桜) |
2月・春を告げる花 希少植物・セツブンソウ(節分草) |
11月・紅葉を楽しむ モミジ(紅葉・もみじ) |
1月・氷柱ができる植物 氷の花・シモバシラ(霜柱) |
10月・秋の風物詩 ススキ(芒・薄)・オギ(荻) |
12月・官兵衛飛躍の地・宍粟市 メグスリノキ(目薬の木) |
9月・秋の花壇 地植えのコスモス・手入れ |
11月・銀青色を帯びた葉色・クリスマスツリーの木 銀青色の針葉樹・プンゲンストウヒ |
8月・ヒマワリの役目・緑肥植物 ひまわり畑はなぜ? |
10月・花のある暮らし 秋色あじさい |
7月・香りを楽しむ庭 ミントの栽培・お困り事 |
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