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赤い実の縁起木・千両(センリョウ/クササンゴ)があるお庭・特徴・育て方

(写真:千両があるお庭)
センリョウ(千両)は、センリョウ科センリョウ属に属する常緑の低木で、学名はSarcandra glabra(サルカンドラ・グラブラ)です。根元から枝が広がるように伸び、その姿から別名「クササンゴ(草珊瑚)」とも呼ばれます。
鮮やかな赤い実は、「千両」とも呼ばれるその名前のとおり、裕福や繁栄を象徴する存在です。
センリョウ(千両)の葉は光沢があり、縁にギザギザ(鋸歯)があるのが特徴です。
実が葉の上部に形成され、冬の間、赤く熟した実が庭を鮮やかに彩ります。
(センリョウ(千両)があるお庭)

お金の名前が付いた縁起木
冬に赤い実をつける縁起の良い木として親しまれている万両(マンリョウ)と千両(センリョウ)は、昔から「千両、万両」と並べて呼称されることが多い植物です。
センリョウ(千両)と組み合わせる植物
センリョウ(千両)は他の植物との相性が良く、周囲との調和もとりやすいです。センリョウの周囲には、ギボウシやシダ類を組み合わせると、落ち着いた雰囲気を演出できます。
また、センリョウを他の植物と組み合わせる際は、同じ環境で育つものを選びます。センリョウは「土壌は保水性が高く、通気性の良い環境」を好みます。同じ特性をもった植物でまとめることがポイントです。
センリョウ(千両)の歴史
センリョウ(千両)は名前の通り、江戸時代の通貨単位「両」に由来し、鮮やかな赤色が富や繁栄を象徴し、古くから縁起物として親しまれているお金の名前が付いた植物です。
特に、江戸時代には庭木や鉢植えとしても広まった経緯があり、縁起の良さから多くの家庭や寺社で栽培されてきました。
(センリョウの冬越し)

センリョウ(千両)があるお庭
千両(センリョウ)の赤い実は冬の庭に彩りと季節感をもたらします。観賞価値と共に季節感を強調できるのが千両の大きな魅力です。

富、繁栄を象徴する花言葉
センリョウ(千両)の花言葉は、「利益」「裕福」「富」「財産」など、豊かさや繁栄を象徴しています。
(センリョウの鉢植え栽培)
記念樹や新築祝いなど古くから祝いの植物として親しまれています。
冬の庭に彩りを楽しめます。
センリョウ(千両)の四季
センリョウ(千両)は、一年を通じて様々な姿を楽しめる常緑低木です。春は新芽が伸び始め、初夏には涼やかな小さな花が咲き、秋は果実が膨らみ始め、冬は実が赤や黄色に熟し美しい冬の庭を作り出します。センリョウは、赤い実がつく時期だけでなく、季節ごとに異なる風情があります。

千両と万両
センリョウ(千両)とよく混同(こんどう)されるのがマンリョウ(万両)です。両者はどちらも赤い実が付く植物です。
古くから「千両・万両」と財産に例えられ、縁起の良い植物を代表する存在です。センリョウ(千両)マンリョウ(万両)は、一緒に植えられることも多いです。

千両・万両の見分け方
「実の付き方」と「葉の形状」の違いで見分けられます。「実が枝の先端につく」のはセンリョウ(千両)で、葉の下にぶら下がるように実が付いているのがマンリョウ(万両)と、実の付き方が見分けるポイントです。
「実の付き方」
センリョウ(千両)の実は、葉の上に乗るように枝の先端につきます。マンリョウ(万両)の実は、枝からぶら下がってつくのが特徴です。
「葉の形状」
センリョウ(千両)の葉は、先端が鋭く尖って、縁(ふち)にギザギザの鋸歯があります。マンリョウ(万両)の葉は、縁(ふち)が波打っているのが特徴です。
(センリョウの植栽)

(マンリョウの木)

「千両万両有り通し」の語呂合わせ
「千両万両有り通し(せんりょうまんりょうありどおし)」は、赤い実をつける縁起の良い植物の名前を並べた語呂合わせです。
千両(センリョウ)、万両(マンリョウ)、一両(アリドオシ)を揃えて飾る(植える)ことで、「千両万両(お金)」が「有り通し(いつもある)」になり、金運や商売繁盛を願う縁起の良い言葉です。

センリョウの自生地
センリョウ(千両)は、半日陰や林の中に自生しています。
国内の自生地は主に東海地方や紀伊半島、四国、九州、沖縄などの温暖な地域が中心です。アジア全域(中国からインド)にも広く分布しています。
センリョウ(別名:クササンゴ)の基本情報・特徴
センリョウ(千両)は、冬に赤い実をつける常緑低木です。 特徴は、葉の上に実がつきます。葉は光沢のある濃い緑色で、冬でも青々としています。
樹形が株立ちで、地際から枝を出す姿が、サンゴのように見えることから「草珊瑚(クササンゴ)」という別名が付けられています。
(センリョウの株元)

和名:センリョウ(千両)
別名 :クササンゴ(草珊瑚)、タケフシソウ(竹節草)など
学名:Sarcandra glabra(サルカンドラ・グラブラ)
分類 :センリョウ科センリョウ属の常緑小低木
原産地:東アジア~インド(日本では南関東以西の本州、四国、九州、南西諸島など)
樹高:約50cm~100cm
花期:6月~7月(花は小さく目立たない)
実期:冬(赤い実をつける、黄色い実の品種もある)
(センリョウの植栽)

センリョウ(千両)の葉
センリョウ(千両)の葉は、濃い緑色で細長く先端が尖り、縁に鋭い鋸歯(ギザギザ)があるのが特徴的です。深緑の光沢のある葉の上に、光沢のある赤い実のコントラストが美しく、冬の庭が華やかになります。また、冬の生け花にもよく使われています。

葉の特徴
葉の付き方:葉は枝に十字対生(左右対称)につきます。
葉の質感:革質
葉の色:深緑
葉の表面:光沢があります。
葉の縁:葉の縁(ふち)には鋭い鋸歯(ギザギザ)があります。
(センリョウの植栽)

センリョウ(千両)の枝と幹
センリョウ(千両)の緑色の細い枝には、葉の落ちた跡が膨らんで節(ふし)になるのが特徴です。
お正月飾りとしてセンリョウが利用される際は、この「節(ふし)の美しさ」や「枝の先についた赤い実が葉に乗っているかのように見える姿」が好まれます。
(センリョウの枝)

枝と幹の特徴
株立ち:地下茎から次々と新しい芽(ひこばえ)が出て
枝の色:幹や枝は緑色や褐色。古くなると茶色になる。
枝の太さ:枝は株元から伸び、あまり太くならない。
節の膨らみ:葉の落ちた跡が膨らんで節になる。
分枝:枝は上部で2~3回分枝する。
枝の性質:木質化しにくい。
枝の質感:枝はやや草質(草に近い質感)をしている。
(センリョウの樹形)

センリョウ(千両)の花
センリョウ(千両)の花は、初夏6〜7月に淡い黄緑色で花びらのない非常に地味な花が咲きます。花は、雌しべ1つと雄しべ1つだけからなる原始的な構造が特徴です。
花が葉の緑に紛れて、咲いていることさえ気が付かないほど地味ですが、のちに艶やかな赤い実になる部分です。
(センリョウの花)


花の特徴
開花時期:6月~7月頃
花:葉の中心部に黄緑色の小さな花が咲きます。
花の構造:緑色に膨らんだ部分が雌しべ(めしべ)、米粒みたいな形をした淡い黄緑色(白っぽく見える)部分が雄しべ(おしべ)です。
花の咲き方:枝の先端に、2~3回分枝した穂状花序(穂のような形)に咲く。
萼(がく):つぼみのときに花全体を保護している葉のような包んだ部分は、ない。
花の形:花びらや萼(がく)がなく、1つの雌しべ(めしべ)に1つの雄しべ(おしべ)が、くっついた形で団子のような形成です。
(センリョウの若い実、初秋の頃はまだ緑色です。)

センリョウ(千両)の実
センリョウ(千両)の果実は、光沢のある丸い形をしています。葉の中央から短い軸のような枝が伸び、上向きに集まって穂状に実がつきます。
初夏に開花する花が終わり、秋になると実は丸みを帯びて膨らみ始め、冬には鮮やかな赤色(または黄色)になります。
赤い実の観賞期間は、11月~2月にかけてが一般的です。3月にもなると自然に落果しています。
(野鳥が実を食べにきます。)

(センリョウの赤い実)

果実の特徴
実の表面: つやつやとした光沢があります。
実の大きさ:直径5mm程の小さな果実です。
実の付き方:実が葉よりも高い位置にある枝の先端に穂状に集まってつきます。
果実期:晩秋から冬に赤く(または黄色く)熟します。
実の注意:赤い実は毒性成分があるため食べられません。果実は観賞用です。
(金運祈願、キミノセンリョウ(黄実千両))


センリョウ(千両)の植栽
センリョウ(千両)の特徴である赤い実を中心に、白や緑を基調とした景観と組み合わせることで調和が生まれます。

センリョウ(千両)の育て方
センリョウ(千両)は、地際から沢山の枝を出す常緑性の低木です。一年中、葉を茂らせています。明るい日陰~半日陰で、適度に湿気のある土壌が適しています。

センリョウ(千両)の植え付け
センリョウ(千両)の植え付けは、春から初夏(4〜6月)または秋(9〜10月)が最適な時期です。この時期は気温や湿度が安定しており、根付きが良くなります。
センリョウ(千両)を育てる場所
センリョウ(千両)は、明るい日陰や半日陰を好む植物です。直射日光が長時間当たる場所や、極端に日当たりが良すぎる場所では葉焼けを起こす可能性があります。
(葉焼けをしているセンリョウ)

(葉焼けをしているセンリョウ)

センリョウ(千両)に適した土壌
センリョウ(千両)は、適度に湿り気があり、水はけが良い土壌を好みます。植え付ける際には腐葉土やピートモス(土壌改良材)を混ぜることで、より生育しやすい環境を作ることができます。
センリョウ(千両)の水やり
センリョウ(千両)は水分を適度に好む植物です。土が乾かないように管理し、表土が乾き始めたら適量の水を水を与えるようにします。ただし過剰な水やりは根腐れの原因となります。秋から冬の水やりは、実が落ちないように注意し、葉や実に直接かけず、株元(根元)の土にたっぷりと与えます。

センリョウ(千両)の肥料やり
果実の付き具合を左右する要因の一つが肥料です。センリョウ(千両)の肥料は、緩効性の化成肥料や有機肥料を、春と秋の年2回与えると、樹勢が整い花つきも良くなります。特に植え付けから1〜2年目には肥料を施すことで成長が促されます。
センリョウ(千両)の手入れ
センリョウ(千両)の樹形は、株元から細い枝が複数立ち上がり、株立ちになります。地下茎から新しい芽(ひこばえ)が出て、株の幅が広がってきます。

センリョウは前年に伸びた枝の先に花芽をつけるため、実を楽しんだ枝は切って枝を更新していきます。
(剪定前のセンリョウ)
古い枝を切る際は、基部から2節程度残して切り戻すと、翌年そこから新芽が出やすくなります。
センリョウ(千両)の剪定時期
センリョウ(千両)の剪定時期は、実の終わりから春先(2月〜3月頃)が基本です。
赤い実は、3月にもなる頃には自然と落果します。

遅くても新芽が出る前の4月〜5月までには剪定を済ませます。
剪定方法
センリョウ(千両)の剪定は、株の中まで陽が当たるように透かして風通しを良くします。伸びすぎた枝や込み合った枝を根元や分岐点で切り落とし、新しい実つきの枝を育てます。
3年以上経った古い枝は、実付きが悪くなるため、地際から切り落として更新していきます。

葉が付いていない細い枝や垂れさがっている枝は、枝分かれしている分岐点か、地際で切り自然な樹形を維持します。

古い枝や樹形を乱す伸びた枝は、根元まで辿って地際で切り落とします。センリョウは株元から複数の枝が密生してきます。
センリョウは寒さにやや弱く、冬に強剪定をしてしまうと弱ってしまいます。切り過ぎないように注意します。
センリョウ(千両)の病害虫対策
センリョウ(千両)は比較的丈夫な植物ですが、湿気が多い環境で育てると、カイガラムシやハダニなどの害虫が発生することがあります。
発生した場合は、専用の薬剤を使用するか手で取り除きます。枯れた葉や枝が見つかった場合は早めに取り除き、風通しの良い環境を保つことで病害虫の発生を予防できます。

葉に黒いポツポツ
葉の黒いポツポツは、ハダニやアブラムシなどの害虫が考えられます。
半日陰を活かした植栽
センリョウ(千両)は耐陰性が強いため、半日陰の環境でも育ちます。木陰になる通路側や中庭などにも植えられ、暗くなりがちな場所に、一年中緑の葉が茂りと、冬の間は鮮やかな赤い実で彩れます。

日本の植物文化
万両(マンリョウ)や千両(センリョウ)があるお庭は日本の植物文化を語れます。冬に海外からのお客様をお招きされる際は、是非!万両・千両がある庭園へお連れ頂ければ造園職人としても嬉しく思います。
(センリョウの木)

「万両、千両、百両、十両、一両」
「万両、千両、百両、十両、一両」は、お金にちなんだ名前がついている赤い実をつける植物です。
クササンゴが「千両」で、クササンゴよりも多くの実をつけるヤブタチバナは価値があるものとして「万両」と名付けられ、カラタチバナが「百両」、ヤブコウジが「十両」、アリドオシ(有り通し)やツルアリドオシが「一両」です。
(写真:万両と千両の植栽)

冬場の同じ時期に赤い実を付ける万両、百両、十両などの縁起木を組み合わせて、植栽に高低差をつけると立体感が生まれます。
金運の願掛け・正月の縁起物
万両千両は江戸時代から栽培されていて、お正月の縁起物としても知られています。

(写真:松と千両の正月飾り)

正月に松を飾る風習は、平安時代から始まったと言われています。万両千両はめでたい名前が好まれ正月飾りに使われています。

赤い実がついている千両の枝を摘み取り、お正月の間、床の間に飾るという方もいます。
センリョウ(千両)の観賞
センリョウ(千両)は、赤い実が葉の上につくため高低差を付けると、立体的に観賞できます。
(千両があるお庭)

植物は訪れる人々に落ち着きとやすらぎを与えてくれます。これまで何も植えられていなかった通路にも、緑があることで癒され、その場所の雰囲気が一変します。
(落葉樹の葉と千両)

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(センリョウの植栽)

(キミノセンリョウ(黄実千両))

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